経常収支の大改善

日本の経常収支は改善しました。万歳三唱・・・・というわけには行きません。改善の中身が良くないのです。 日本の経常収支は赤字にすべきです。中国と日本が大幅な貿易黒字、日本はそれに加えて所得収支も大幅な黒字だったということは、日本が世界中、特にアメリカからマネーを吸い上げていたということです。アメリカからいえばマネーを吸い上げられていたということでもあります。こんな不自然なマネーの循環がバブルを生み出していたのです。 「金融危機の後に その3」で書いたように、この関係を逆転させなければ、世界のマネーの流れは正常化しません。日本の経常収支が赤字になることは、世界経済の正常化にとって必要なことであり、日本の経済にとってもいいことなのです。間違いなく改善なのです。赤字というネガティヴな表現にとらわれて悲観的に見るべきことではありません。 しかし、残念なことに日本の輸出も輸入も減る中での経常収支の赤字です。望ましいのは、生産、所得、雇用(Production,Income,Employment)の拡大を伴う経常収支の赤字です。つまり、輸出も増えるがそれ以上に輸入が増えるという形での経常収支の改善=赤字転換、拡大です。 輸入を増やすため、「原油値下がり。いまこそ原油を買おう」、希少金属も輸入しましょう。そして輸出を拡大するため「海外プロジェクトに資金を出そう」。外国の円建て国債に保証をつけてを引き受けましょう。IMF世界銀行、地域の開発銀行に資金を提供しましょう。 基軸通貨国のバブル崩壊に端を発する世界経済危機対策は、普通の国内発の不況対策とは、自ずから異なります。マーシャルプランを思い出してください。大規模な輸入の拡大と資本輸出が必要なのです。経常収支の赤字を恐れるべきときではありません。 ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では51位でした。