25歳から54歳の男性の9月の就業率は、リーマンショック前を少しだけ上回った

2008年9月15日のリーマンブラザーズ破たんから9年余りが過ぎました。 労働力調査の9月分が発表されました。「25歳から54歳の男性の8月の就業率は、まだリーマンショック前を少しだけ下回っている」で書いたように2008年8月には労働市場の需給がだいぶ改善し、回復のスタートラインに立てたかと思って、少し明るい気分になっていたのを覚えています。そのときも、ここまでくればいいと思っていた訳ではなく、1997年の金融危機前への復帰を目指すのが当然と考えていたのです。現在、リーマンショック前の水準を少しだけ上回りましたが、これでいいとは思いません。目標としては低すぎます。 最近の改善は255歳から34歳の若手に集中しています。逆に人口の多い35歳から44歳層の就業率は改善がみられません。表にはしていませんが、35歳から45歳の中堅、45歳から54歳のベテランの就業率は1年前より低下しています。 9月の男性の年齢階級別就業率(%)
年齢1997年2008年2017年97年との差08 年との差
25~34歳93.690.791.8△1.71.1
35~44歳95.894.293.6△2.2△0.6
45~54歳95.093.493.3△1.70.0
25~54歳94.892.893.0△1.70.2
就業率の低下は職を見つけるためには相当な努力が必要であり、かつ見つからないかもしれないこと、見つかるとしてもいい仕事ではないかもしれない可能性が高くなることを意味します。その結果、合理的な判断として職探しをあきらめる人が出てきて、労働力人口比率が下がります。97年と比較すると2ポイント近く下回っています。2ポイントというと小さいと思われるかもしれませんが、非労働力人口に比率は2.4%から4.3%に上がっているということです。 9月の男性の年齢階級別労働力人口比率(%)
年齢1997年2008年2017年97年との差08 年との差
25~34歳97.195.494.9△2.2△0.5
35~44歳98.397.196.4△1.9△0.7
45~54歳97.596.295.7△1.7△0.5
25~54歳97.696.295.7△1.9△0.5
9月の男性の人口と仕事の不足(万人)
年齢2017年の人口1997年2008年
25~34歳68412△8
35~44歳87819
45~54歳88715
25~54歳2,44943△6
2008年のリーマンショック前を目指すなら、あとわずかで達成できます。ここまで来るのに9年もかかりました。1997年の日本の金融危機前を目指すなら、さらに43万人分、人口の1.7%の仕事を確保する必要があります。 人気blogランキングでは「社会科学」の8位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング