「
25歳から54歳の男性の8月の就業率は、まだリーマンショック前を少し下回っている。」を書いてから1年、状況は大きく変わってはいません。2017年8月の
労働力調査から。
2008年9月15日のリーマンブラザーズ破たんから9年余りが過ぎました。
労働力調査の8月分が発表されました。2008年8月は
労働市場の需給がだいぶ改善し、回復のスタートラインに立てたかと思って、少し明るい気分になっていたのを覚えています。そのときも、ここまでくればいいと思っていた訳ではなく、1997年の
金融危機前への復帰を目指すのが当然と考えていたのです。
現在、
リーマンショック前の水準に近づいていますが、これでいいとは思いません。目標としては低すぎます。
8月の男性の年齢階級別就業率(%)年齢 | 1997年 | 2008年 | 2017年 | 97年との差 | 08
年との差 |
---|
25~34歳 | 93.9 | 90.6 | 90.5 | △3.4 | △0.1 |
35~44歳 | 95.7 | 93.8 | 93.9 | △1.8 | 0.1 |
45~54歳 | 95.7 | 93.5 | 93.3 | △2.4 | △0.2 |
就業率の低下は職を見つけるためには相当な努力が必要であり、かつ見つからないかもしれないこと、見つかるとしてもいい仕事ではないかもしれない可能性が高くなることを意味します。その結果、合理的な判断として職探しをあきらめる人が出てきて、
労働力人口比率が下がります。97年と比較するとかなり低くなっています。
8月の男性の年齢階級別労働力人口比率(%)年齢 | 1997年 | 2008年 | 2017年 | 97年との差 | 08
年との差 |
---|
25~34歳 | 97.2 | 95.5 | 94.9 | △2.3 | △0.6 |
35~44歳 | 98.1 | 96.8 | 96.3 | △1.8 | △0.5 |
45~54歳 | 97.8 | 96.3 | 95.6 | △2.2 | △0.7 |
8月の男性の人口と仕事の不足(万人)年齢 | 2017年の人口 | 1997年 | 2008年 |
---|
25~34歳 | 684 | 23 | 1 |
35~44歳 | 880 | 16 | △1 |
45~54歳 | 885 | 21 | 2 |
25~54歳 | 2,449 | 60 | 2 |
2008年の
リーマンショック前を目指すなら、あとわずかで達成できます。ここまで来るのに9年もかかりました。1997年の日本の
金融危機前を目指すなら、さらに60万人分、人口の2.4%の仕事を確保する必要があります。
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