5月分の
労働力調査の結果原表Ⅰ-2からデータをとりました。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001154358
22~24歳の正社員は197万人になりました。前年同月と比べると3万人増えています。3月は20万人、4月は11万人増だったので増え方は減っています。面白いことに、2014年、2015年は5月の正社員数が4月より多くなっていたのですが、今年は減っています。「
人的資本の生産が増えているかもしれない根拠 22歳から24歳正社員 206年3月」で「
労働力調査は月末1週間の状況の調査ですので、正社員確保のため、3月中に新規学卒者を採用する動きがあったのかもしれません。4月、そして5月がどうなるか注目です。」とも書きましたが、おそらくその通りであったと思っています。早く職場で働きだすと、辞めだすのも早いということかもしれません。
なお、22歳から24歳まで絞っているのでサンプルサイズが小さくなり数字が不安定になるのは避けられません。その分は割引してみる必要があります。
正社員の数(万人)月 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 差 |
---|
1月 | 159 | 156 | 169 | 13 |
2月 | 161 | 164 | 169 | 5 |
3月 | 160 | 154 | 174 | 20 |
4月 | 180 | 190 | 201 | 11 |
5月 | 188 | 194 | 197 | 3 |
6月 | 180 | 186 | - | 6 |
7月 | 173 | 183 | - | 10 |
8月 | 177 | 180 | - | 3 |
9月 | 182 | 174 | - | △8 |
10月 | 175 | 175 | - | 0 |
11月 | 163 | 168 | - | 5 |
12月 | 151 | 159 | - | 8 |
なお、パート・アルバイトは前年の54万人から49万人に減りました。この年齢層でのパート・アルバイトの供給が減ったのでしょう。
人口に対する正社員の比率は、5月には0.9ポイント上昇し、54.1%になりました。
人口に占める正社員の割合(%)月 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 差 |
---|
1月 | 43.0 | 44.3 | 46.4 | 2.1 |
2月 | 43.5 | 46.3 | 45.4 | △0.9 |
3月 | 43.4 | 42.5 | 46.5 | 4.0 |
4月 | 50.3 | 51.6 | 55.7 | 4.1 |
5月 | 52.1 | 53.2 | 54.1 | 0.9 |
6月 | 50.0 | 51.7 | - | 1.7 |
7月 | 47.7 | 50.4 | - | 2.8 |
8月 | 49.3 | 50.3 | - | 1.0 |
9月 | 49.5 | 49.0 | - | △0.5 |
10月 | 47.4 | 47.6 | - | 0.1 |
11月 | 45.2 | 45.8 | - | 0.6 |
12月 | 42.7 | 44.5 | - | 1.9 |
(注)2014年、15年を見る限り、この率は季節的に変動するようです。学卒者が採用される年度初めの4月、5月が一番高くそれ以降下がる傾向にあります。下げ幅は意外に大きく、2014年の5月と2015年の3月を比べると9.6ポイントの低下です。採用されても早期に離職する人がいるからだと思われます。
2016年5月の人口は364万人で、うち正社員が197万人、通学の傍ら仕事をしている人が20万人(前年23万人)(正社員ではないでしょう。)、通学が42万人(同47万人)で、合計259万人でした。人口の三分の二以上がが正社員か通学している者ということになります。人的資本の蓄積という観点からは、大いに結構なことです。
労働力率は82.1%で0.7ポイント上昇、就業率は77.2%で、0.1ポイント低下、
完全失業率は6.0%で0.9ポイント上昇でした。この年齢の若者は雇用情勢の改善に対応して
労働市場に戻ってきて、働いたり仕事を探したりしているのです。正社員を採用し損ねたり、パート・アルバイトが不足している職場では採用できるの可能性が高まっています。
「
22歳から24歳正社員が200万人を突破 」で、「学生を除く単身世帯のものが前年の62万人から69万人に増えたことです。正社員で就職して独り立ちした若者が増えたのかもしれません。」と書きましたが、5月は76万人から75万人に減っています。
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