2015年度の税収予想(5月実績から)

2015年度の税収予想(4月実績から)」までは予想でしたが、5月分の実績が発表されました。ほぼ確定です。法人税の税収が補正予算の見込み額に及ばなかったことが話題になっています。 2016年5月までの税収の動き(百万円)
項目所得税法人税消費税
実績(A)17,807,13710,827,40317,426,292
昨年度決算額(B)16,790,22711,031,60816,028,958
倍率(C)=(A)/(B)1.0610.9811.087
今年度当初予算(D)16,442,00010,990,00017,112,000
超過(E)=(D)-(A)1,365,137△162,597314,292
補正予算(F)17,590,00011,741,00017,112,000
超過(G)=(F)-(A)217,137△913,597314,292
(注) 法人税は税率が25.5%から23.9%へ引き下げられており、課税所得が同じであれば税収は6.7%減るはずです。ただこのほかにもいろいろな改正が行われており、こう簡単ではありません。 国税としての消費税の税率は6.3%です。他に地方消費税のものが1.7%あり、これを合わせて普通税率8%と言っています。これまでは国税4%、地方税1%でした。なお、平成29年(2017年)4月から、消費税率は、1.238倍の7.8%へ、地方消費税率は2.2%へそれぞれ引き上げられると法律には書いてあります。https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/h27kaisei.pdfしかし、引き上げは2年半延期されます。 金額が一番多い所得税については、当初予算の見積もりは過少で、補正予算で増額して概ね一致しました。二番目の消費税は補正での見積もりの修正がありませんでしたが、概ね見込み通りだったといえそうです。問題は法人税です。 当初予算の見積もりにも及ばなかったところ、補正ではさらに上方修正をしていましたから1兆円近く見積もりを下回ってしまいました。補正での見積もりは、かなり企業の決算見込みが立っていた時のものです。 将来の見積もりをするためには、法人の所得が経常的利益の減少により減ったのか、特別損失を出したことにより減ったのかが問題になります。前者であれば2016年度の税収も予算通りにならない恐れが出てきますが、後者であればその恐れは減るからです。これから、だんだん実態が分かってくると思いますが、後者の要因として、資源価格の低下によって現存が生じた、ゼロ金利の導入により将来支払うべき企業年金の額の割引現在価値が増えたなどが考えられます。 2016年度の税収を考える上では、最近の円高も見逃せません。 ちなみに2016年度の当初予算では法人税を12,233,000億円、2015年度の決算の概算額より1,405,597億円、13%の増加と見込んでいます。 人気blogランキングでは「社会科学」の番外でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング