「
働き盛りの男性の就業率はリーマンショック前を再び下回った。」の続きです。
労働力調査の2016年4月分が発表になりました。不調です。
2月分では「
働き盛りの男性の就業率はリーマンショック前を超えた。」と書けたのですが、3月に続いて、35歳から44歳層が悪化し、45から54歳層も不調です。25歳から34歳層は
リーマンショック前を0.1ポイントだけ上回っていますが、3月の0.9ポイントより悪化しています。月末の曜日の並びの影響でしょうか?
4月の男性の年齢階級別就業率(%)年齢 | 1997年 | 2008年 | 2016年 | 97年との差 | 08
年との差 |
---|
25~34歳 | 94.5 | 90.7 | 90.8 | △3.7 | 0.1 |
35~44歳 | 96.3 | 94.0 | 92.8 | △3.5 | △1.2 |
45~54歳 | 95.9 | 93.5 | 92.8 | △3.1 | △0.7 |
4月の男性の人口と仕事の不足(万人)年齢 | 2016年の人口 | 1997年 | 2007年 |
---|
25~34歳 | 699 | 26 | △1 |
35~44歳 | 905 | 32 | 11 |
45~54歳 | 849 | 26 | 6 |
25~54歳 | 2,453 | 84 | 16 |
35歳から44歳層の就業率は1月に2008年9月の
リーマンショック前の就業率をわずかですが上回る水準になり、2月も上回っていたのですが3月は逆戻りし、4月も下回りました。
リーマンショックにこだわるのは、
リーマンショック前の日本経済、
労働市場が本格的拡大に向かう傾向にあったからです。4月分の統計を見ると勤労者家計の収入も上向いてきています。全体を見ればいいのですが35歳から54歳の男性はまだまだという状況です。
1997年の日本の
金融危機前を目指すなら、さらに84万人分の仕事を確保する必要があります。率だと3.4%です。
「
2015年8月になってもまだ男の普通の仕事は足りない」で、「最近の動きに幻惑されて、雇用拡大の手を緩めるべきではありません。」、「女性の就業率が上がったことによって、両性を合わせると就業率は上がっています。
完全雇用だと考えている方は、男性にも目を向けてみてはどうでしょうか?」と書きましたが、意見に変わりはありません。賃金が上がり始めるなど一見、
完全雇用になったように見えますが、働き盛りの男性だけで84万人分は供給余力があるとみるべきでしょう。
完全雇用になるまではまだまだ先があります。
人気blogランキングでは「社会科学」の6位でした。今日も↓クリックをお願いします。
人気blogランキング