自由参入と品質保証

保育所について」で、書いた件について、「国政選挙論点シリーズ(1)」で、次のような提案が行われています。 具体的な流れはこうです。まずは、国が「すべての児童に幼児教育の権利」を保障します。その権利の対価として、すべての児童が保育サービスの購入に使えるバウチャーを配布し、親が自由に保育サービスを選べるようにする。同時に、認可や認証の保育所への補助金は受け入れる児童数に基づいて配布されるので、保育所間で適切な競争が生まれます。あらゆる形態の自由参入を認めることは言うまでもありません。保育は、国民にとっても最も重要な幼児教育の場を担う場所として、行政は安全基準や品質基準を厳しくチェックすることになるのは当然です。 あらゆる形態の自由参入を認めるというのは普通の市場ですが、普通そこには国による品質基準のチェックはありません。行政がどうやってチェックを行うのでしょうか?事前にチェックし、その結果参入を認めないなら、自由参入ではありません。「あらゆる形態」ということに特別な意味があるのかもしれませんが。 事後的なチェックの場合、子供の命が危険にさらされる可能性があります。 現在保育事業も幼児教育事業も自由に開業することができます。行政の許可は入りません。そこで悪質な業者が生き残っています。自由参入により多くの事業者が参入してきたとき、行政には適切なチェックを行う能力はないように見えます。チェックを求めるなら、膨大な費用がかかりそうです。また、バウチャーの額を上げれば優良な業者は増えるでしょうが、そのためにはかなりの予算が必要です。そしてそうしたところで、競争により質の低いものを排除するのは不可能でしょう。業者からのキックバックを前提に低湿なサービスを利用する親がいるからです。 何かいい方法がないものでしょうか? 人気blogランキングでは「社会科学」の8位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング