「
家計調査の検証 その3」で取り上げた5万人
未満都市・町村の世帯主の勤め先が民間職員、官公である割合の前年差は次の通りです。
人口
民間職員、官公である割合の前年差(%ポイント)月 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
---|
1月 | △1.7 | 11.0 | △7.0 |
2月 | △1.2 | 12.1 | △7.1 |
3月 | △4.8 | 11.4 | - |
4月 | △8.9 | 6.3 | - |
5月 | △4.7 | 3.3 | - |
6月 | △3.0 | 3.1 | - |
7月 | △3.3 | 5.0 | - |
8月 | △1.6 | 3.4 | - |
9月 | 0.5 | △0.8 | - |
10月 | 3.9 | △1.2 | - |
11月 | 5.5 | △3.7 | - |
12月 | 9.6 | △3.6 | - |
2014年9月から2015年8月前の1年間は前年差がプラスで、特に2014年12月から2015年3月まではかなり大きなプラスになっています。この地区の消費の動きはこれだけで決まるものではありませんし、全国の消費がこれによってどれぐらい影響を受けるかはさらに効果ははっきりしませんが、この影響は受けているでしょう。そして、2016年1月の勤労者世帯の例ほど極端ではないにしろ、2015年12月から2016年3月ごろまではその反動が生じる可能性があります。
これは実態の反映というよりも標本抽出に伴う誤差である可能性があります。統計局はきちんとした母集団名簿を整備し、層化した上で無作為抽出を行っており、標本誤差を小さくすることに最善の努力を払っているといえます。また、標本を一斉にではなく、逐次入れ替えるなど前月比のブレを少なくする工夫もしています。
なお、単純な全世帯、勤労者世帯の平均だけではなく、細かく分割した表を公開しているので(今回の検証はすべて公開されているものだけを利用して行いました。)、丁寧に見れば、標本誤差の大小の見当をつけることもできます。
このような大きなブレが生じるのを避けるための王道は、サンプルサイズを拡大することです。
景気対策に使われる予算に比べれば、その費用はわずかなものです。
政治家の皆さんには、統計予算の拡充の意義、効果の大きさを理解していただきたいと思います。
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