2016年1月になってもまだ男の普通の仕事は足りない

2015年12月になってもまだ男の普通の仕事は足りない」の続きです。 労働力調査の2016年1月分が発表になりました。働き盛りの男性の就業率は次の通りです。 1月の男性の年齢階級別就業率(%)
年齢1997年2007年2016年97年との差08 年との差
25~34歳93.990.790.5△3.4△0.2
35~44歳95.893.994.0△1.80.1
45~54歳95.993.992.8△3.1△1.1
1月の男性の人口と仕事の不足(万人)
年齢2016年の人口1997年2007年
25~34歳70227
35~44歳91116△1
45~54歳84526
25~54歳2,4587010
就業率は25歳から34歳層で2008年9月のリーマンショック前の就業率をやや下回る水準になり、35歳から44歳層ではわずか0.1ポイントではありますが上回りました。45歳から54歳層ではまだ1.1ポイントの差があります。リーマンショック前の就業率を回復するためにに必要な就業者は、10万人分になりました。金融危機前を目指すなら70万人分です。大体、2.8%ぐらいです。 この層の就業率は景気と並行して変化しています。構造的失業や摩擦的失業によって就業率が低くなっているわけではありません。 「2015年8月になってもまだ男の普通の仕事は足りない」で、「最近の動きに幻惑されて、雇用拡大の手を緩めるべきではありません。」、「女性の就業率が上がったことによって、両性を合わせると就業率は上がっています。完全雇用だと考えている方は、男性にも目を向けてみてはどうでしょうか?」と書きましたが、意見に変わりはありません。賃金が上がり始めるなど一見、完全雇用になったように見えますが、70万人分は供給余力があるとみるべきでしょう。完全雇用になるまではまだまだ先があります。 人気blogランキングでは「社会科学」の8位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング