ボーナス期の家計の動き その2

ボーナス期の家計の動き その1」では、収入についてみたのですが、今回は可処分所得と消費、平均消費性向などを検討したいと思います。これには結構悩ましい問題があります。 まず、素直に統計を再現した場合の動きです。 家計の動き6月、7月平均(円)、(%)
項目2015年2014年増加額増加率
可処分所得(名目)526,669508,65218,0173.5
消費支出(名目)303,915303,7162000.1
平均消費性向57.7%59.7%△2ポイント
可処分所得が1万8千円増えているのに、消費は200円しか増えておらず、平均消費性向は2ポイント下がっています。家計が消費に慎重になっていると理解できそうです。 しかし、気になるのは、持ち家率が高まり、住宅ローンの返済をしている家計の割合が増えていることです。位年前と世帯の属性が変わっているのであれば、単純な比較はできません。条件をそろえて比較するためにはこれを調整しないと行けません。まず、家賃地代を払っている家計が前年のままであった場合の家賃地代を試算してみます。今年の額÷今年支払っている家計の割合×前年に支払っていた家計の割合で試算します。するとこの効果で1,093円減っていると計算できました。これを消費に加えてみます。 家計の動き6月、7月平均(円)、(%)
項目2015年2014年増加額増加率
可処分所得(名目)526,669508,65218,0173.5
消費支出(名目)305,008303,7161,2930.1
平均消費性向57.9%59.7%△1.8ポイント
少し変わります。しかしこれだけでは十分ではありません。ローンの支払いは可処分所得から行われるのですから、可処分所得からこれを差し引かなければなりません。 家計の動き6月、7月平均(円)、(%)
項目2015年2014年増加額増加率
可処分所得(名目)482,051468,76813,2832.8
消費支出(名目)305,008303,7161,2930.1
平均消費性向63.3%64.8%△1.7ポイント
このような調整を行うと、平均消費性向の低下は、多少緩和されます。 本来調整したほうがいい属性の変化があります。たとえば、18歳未満の世帯員の数は0.99人から0.96人に減っています。教育関係費や子供用の衣類への支出は減少しているのは、子供の数が減ったことの影響もあるでしょう。 しかし、最大の問題は収入に占める賞与の占める割合の増加です。通常の収入はかなりの部分その月に使うかもしれませんが、賞与はその月に使ってしまうことはないでしょう。したがって、賞与の割合が高まったときに平均消費性向が下がるのは当然です。 また、宿泊料やパック旅行費などは10%以上増加しています。 家計が消費に慎重になっていると言い切ってしまう自信はありません。 人気blogランキングでは「社会科学」の12位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング