出産後の女性の常勤サバイバル率

厚生労働省から第3回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の結果が発表されました。

概況はこちら→http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shusshoujib/03/dl/gaikyo01.pdf

現在の日本の女性の就業継続にとって出産が大きなインパクトを及ぼすという事実があるのは常識です。

この調査でも「出産1年前」に62.1%あった「有職」の割合が出産半年後には35.55%に落ち、出産後2年半では46.5%まで回復していることが示されています。

「常勤」に限れば「出産1年前」の37.1%が出産半年後には24.5%に落ち、出産後2年半にはさらに23.3%まで落ちていることが分かります。

さて、出産後の就業状況であれば、例えば国勢調査からある年齢の子供を持つ母親を選び出し、その就業状況を調べれば分かります。余談ですが、国勢調査のように繰り返して一時点の状況を調べている調査を繰り返し横断調査といいます。繰り返し横断調査からわかるのは、ある主体(調査する側からみると調査の客体です。)のその時点での情報です。

縦断調査は同じ主体に対して繰り返し質問を重ねていく調査です。ある主体の現在と過去が同時に分かります。過去と現在をつなぐ表ができるのが縦断調査の特長です。これを生かして少し考えてみたいと思います。

概況の図1を見ると、現在「常勤」である母親23.3%のうち18.7%が出産1年前から継続して「常勤」で残る4.5%がそれ以外です。つまり出産1年前の常勤であった人が出産2年半後まで常勤をつづけた割合(サバイバル率)は50.4%(18.7%÷37.1%)です。

厳密な比較はできないのですが、平成13年に出産した母親で、出産1年前に常勤であった方が出産1年半後に常勤であった割合は42.6%でした。(こちらの図3-2→http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/06/kekka1.html)この中には半年後には常勤ではなかった方が含まれていますので、継続して常勤の方の割合はこれよりも低いはずです。

22年に出産された方の2年半後のサバイバル率は50.4%、13年に出産された方の1年半後のサバイバル率は高くても42.6%ですから、9年間で常勤のサバイバル率はかなり上がっていると思われます。

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