若い正社員の採用基準

旧聞に属しますが、厚生労働省が平成25年若年者雇用実態調査の結果を発表しています。http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-h25_gaikyou.pdf

今回の調査には、新しい項目があります。

若年の正社員の採用選考に当たり重視した点です。新規学卒の場合と中途採用の場合に分けて調べられています。

意外に思われるかもしれませんが、新卒と中途採用ではあまり大きな差はありません。

どちらも一位は、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」です。「チャレンジ精神」は前の二つとは少し異質なような気がします。まとめて聞いていいのか?

いずれにせよ、学卒では82.9%の事業所が、中途採用でも74.7%の事業所がこれを挙げています。

二位は少し差があって、学卒の場合は、「コミュニケーション能力」で67.0%、中途採用は「マナー・社会常識」で61.8%です。企業からすれば、「多少なりとも社会経験がありながら、マナーや社会常識がない人は困る」ということかもしれません。中途採用を狙うなら、「学生とは違います。」とアピールできるようにしたほうがいいのでしょう。学卒なら多少は大目に見るのかもしれません。しかし、学生がそれを期待して甘えてははいけません。新規学卒の三位は「マナー・社会常識」で、63.8%です。身だしなみや言葉遣いはしっかりしましょう。また、中途採用の三位は「コミュニケーション能力」です。55.0%です。

私としては学生の皆さんには大学で短いレポートを何回も書くことをお勧めします。一つ一つの文ををしっかり主語と述語を対応させて書く、文と文のつながりを、適切な接続詞で示す、文章全体の構造を整えるといった作業を日常的に繰り返すのは、社会人として求められる「コミュニケーション能力」を養うのにもっとも有効な方法だと思います。先生が読んで下さるなら、コメントをもらうと自分の文章の長所も短所もよくわかります。

閑話休題

四位はどちらも共通で、「組織への適応性」です。採用する側からみれば、これは当然でしょう。

要するに企業は、正社員として採用する若者に対しては、新規学卒、中途採用を問わず、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「マナー・社会常識」、「組織への適応性」を求めているのです。

「業務に役立つ専門的知識や技能(資格・免許や学力)」は新卒では33.4%、中途採用では36.9%、『業務に役立つ職業経験・訓練経験」は新卒13.1%、中途採用37.9%です。これらがないからといってそんなに悲観する必要はないでしょう。

「企業の採用基準がこれでいいのか」という議論はあるでしょう。しかし、将来はともかく現在の実態はこうなので、適応が必要でしょう。

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