総務省の
労働力調査の6月分が発表されました。失業率の上昇が話題になっています。
「
本当に人手不足?」では、「特に、結婚し家族を作る時期の25歳~34歳の落ち込みは大きなものになっています。ここが95%くらいにならないと結婚したい人や子供を作りたい人の望みがかないません。」と書きましたが、少し長めに振り返って、この層の就業率の変化を追ってみようと思います。
25歳から34歳の男性の就業率年 | 就業率(%) | 前年同期差(%ポイント) |
---|
1970年 | 96.4 | △0.1 |
1975年 | 96.0 | △0.5 |
1980年 | 95.3 | 0.2 |
1985年 | 94.2 | △0.3 |
1990年 | 94.9 | 0.1 |
1995年 | 94.0 | △0.5 |
1996年 | 94.2 | 0.2 |
1997年 | 94.0 | △0.2 |
1998年 | 92.8 | △1.2 |
1999年 | 91.9 | △0.9 |
2000年 | 91.8 | △0.1 |
2001年 | 91.1 | △0.7 |
2002年 | 90.1 | △1.0 |
2003年 | 89.9 | △0.2 |
2004年 | 90.0 | 0.1 |
2005年 | 90.0 | 0.0 |
2006年 | 90.5 | 0.5 |
2007年 | 91.0 | 0.5 |
2008年 | 90.6 | △0.4 |
2009年 | 89.0 | △1.6 |
2010年 | 88.9 | △0.1 |
2011年 | <89.3> | - |
2012年 | 89.4 | - |
2013年 | 89.3 | △0.1 |
2014年1月 | 90.0 | 0.4 |
2014年2月 | 89.7 | 1.6 |
2014年3月 | 89.8 | 2.4 |
2014年4月 | 90.4 | 1.3 |
2014年5月 | 90.8 | 1.2 |
2014年6月 | 90.3 | 0.4 |
これを見ると低下するトレンドがあるとは言え、
金融危機後の1998年、2002年、
リーマンショック後の2009年に1%ポイントを超える大きな低下が生じていることが分かります。(
労働市場は景気に少し遅れて反応しています。)
2009年以降は90%を割っていますが、これはやや下がりすぎといえるでしょう。私は長期不況の前の1997年の94%まで回復してほしいと思っています。
2014年に入ってから6か月の平均では前年比1.2%ポイントの上昇です。これが続けば2014年には久しぶりに90%台に戻ることになります。それでも、まだ
リーマンショック前の2007年の91.0%より低い水準です。
もっと引き上げなければなりません。この層の人口は724万人ですから3.5%ポイントの引き上げには25万人分の仕事が必要です。また、
不本意にパートタイムの仕事についているものもいると思われます。
低賃金労働者不足ではあるかもしれませんが、人手不足ではありません。もっと、仕事が必要です。
気がかりなのは、6月が5月の水準を下回ったこと、そして前年同月と比べた上昇幅が小さくなっていることです。測定誤差がありますから、1月だけでそう心配する必要はないのかもしれませんが、注意が必要です。
女性の活躍も必要ですが、若い男性にも活躍の場と能力向上の機会、そして結婚市場にエントリーする資格の確保が必要です。
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