「
晩産化と少子化」で、次のように書きました。
その意味で私が注目しているのは昭和55年生まれ、30歳の女性です。0.65人生んでいます。5年年上の昭和50年生まれの女性は30歳で0.68人、35歳で1.14人産んでいました。昭和55年生まれが30歳代前半で平均して0.49人産むと昭和50年生まれに追いつきます。もし追いつけば、少子化に歯止めがかかったということになります。
2013年の人口動態統計が発表されました。
期間特殊
出生率ではなく、実際に女性が何人の子供を生んだかを世代別に追いかけたものが
コーホート合計
出生率です。説明は「
こちら」。
これを見ると重要なことが示されています。(2014年6月25日、データを追加しました。)
コーホート合計出生率年齢 | 1954-58年生まれ | 59-63年生まれ | 64-68年生まれ | 69-73年生まれ | 74-78年生まれ | 79-84年生まれ |
---|
24歳まで | 0.45 | 0.37 | 0.28 | 0.23 | 0.21 | 0.21 |
29歳まで | 1.37 | 1.17 | 0.91 | 0.76 | 0.66 | 0.65 |
34歳まで | 1.84 | 1.64 | 1.39 | 1.19 | 1.13 | 1.15 |
39歳まで | 1.96 | 1.78 | 1.55 | 1.40 | 1.40 | 未到達 |
44歳まで | 1.98 | 1.81 | 1.59 | 1.45 | 未到達 | 未到達 |
この表の見方ですが、2行目で説明します。1964年から68年生まれの女性は、24歳までに0.28人の子供を産んでいて、34歳までに1.39人、44歳までには1.59人の子供を産んでいたということを示しています。45歳以後子どもを産むことは、現在ではまれなので、ラフな計算とすれば44歳時点の子供の数が最終的な子供の数であると考えていいでしょう。
さて、
少子化というのは一人の女性が生む子どもの数が減ること(少産化)と、女性の数が減ることの複合的な効果として考えることができます。一方、世代間の人数の比率は、一人の女性が生む子どもの数だけで決まります。
さて、24歳までの欄を左から右に読んでいってください。徐々に減って来ています。29歳の欄でも同じです。
ところが、34歳の欄では違いがみられます。74-78年生まれの女性までは減り続けているのですが、79-83年生まれの女性では大きくなっています。この世代の女性は5年上の世代に比べて生むペースが早くなり、5年上の世代を追い越したのです。
39歳の欄では69-73年生まれの女性と74-78年生まれの女性の子供の数が同じ1.40になっています。生むタイミングは違っていたのですが、39歳までに産んだ子供の数は同じになっていたのです。追い越してはいませんが、追い付いてはいるのです。
問題はここからです。74-78年生まれの女性がこれから5年間、44歳になるまでに産む子供の数が、69-73年生まれの女性が同じ年齢で生んだ子供の数を上回ると、最終的な子供の数が増えることになります。69年から73年生まれの女性が40歳から44歳までに産んだ子供の数は、0.0486人でした。これを上回るかどうかです。上回れば
少子化傾向が反転することになります。64年から68年生まれの女性の場合には0.0329人でしたから40歳から44歳で生む子供の数は増える傾向にあります。
女性の出産行動のトレンドの変化がみられるのかどうか注目すべきです。
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