日経「人手不足経済」中

「人手不足経済」中では「日経「人手不足経済」上」の続きで「かみ合わぬ需給」いうタイトルで介護労働力の不足の問題を取り上げています。

最初にハローワークでの声を拾っています。

「介護分野?低賃金で重労働。考えたこともない。」

働き手に社会保障分野を選んでもらうために何をなすべきかはこの答から明らかです。賃金の引き上げ、処遇を改善することです。それをしない限り、離職率が「10%台前半で高止まりし、3年で7割の人が入れ替わる」という実情を改めることはできないでしょう。

しかし、記事は変な方向へ走っていきます。

紹介されているのは介護の現場に『食事を運んだり掃除をしたりする」人を派遣してきたという業者です。2年間で累計で200人という実績だそうです。「この10年で100万人が必要」というの対してあまりに少ない人数です。それに気になるのが「累計」という表現です。同じ人が辞めて、別の事業所に言った場合は2人と数えられているような気がします。長続きしているのでしょうか?

さらに「気が利く脇役がいることで重労働の介護福祉士の負担が減り、介護人材の不足の補いやすくなる。」と書かれているのですが、食事を運んだり掃除をしたりする仕事がなくなり、休憩などの余裕ができるのならいいのですが、逆に、身体介護などの仕事の密度が高くなっているということはないのでしょうか?賃金の低い脇役に任せた分、介護福祉士の賃金は上がっているのでしょうか?

もう少し、取材をして見てはどうでしょうか?

現在150万人いる介護労働者が2025年には250万人必要になるという計算が紹介されています。これは無理だと考えているようですが、毎月勤労統計によると、医療や福祉の分野の常用雇用は、2001年に69.1であったのが2013年には111.4に増えています。このペースで増えると240万人になるはずです。少し上乗せ程度です。処遇の改善を図っていけば、そう無理な数字ではありません。

高年齢者が増え、介護需要は増えざるを得ません。そこに人材を移すためには処遇の改善は不可欠です。

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