雇用と賃金を考える(2014年2月・常用労働者)

「雇用と賃金を考える(2014年1月・常用労働者)」の続きです。 賃金から見ていきます。%はすべて前年同期比です。 2月は、なかなか判断が難しい数字になっています。 5人以上の事業所を見ると、現金給与総額は、1月の0.2%減少に引き続いて、0.1%の減少です。現金給与のうち決まって支給する給与は、1月は0.1%の増加でしたが2月は0.1%の減少です。基調と私が考えている所定内給与も0.5%の減少となっています。 判断が難しいのは、二つ理由があります。 第一の理由は、労働者の構成変化です。フルタイム労働者とパートタイム労働者に分けてみると、どちらも現金給与総額、決まって支給する給与が増えていることです。結局賃金は上がっているが、パートタイム労働者の割合が高まったため、平均すると下がったということです。所定内給与は、フルタイム労働者は0.2%減少、パートタイム労働者は0.1%増加です。では、フルタイム労働者一人一人の賃金が下がったのかといえば、そうとも言い切れません。というのは常用労働者の雇用が0.6%増えているからです。賃金の安い若年労働者が増えているのであれば、下がったとも言い切れません。 第二の理由は、5人以上の事業所全体を合わせたものと、このうち30人以上の事業所に限定したものとで少し動きが違うように見えるからです。 雇用は好調といっていいでしょう。 常用雇用は、1月と同じ1.2%の増加です。これで2013年の9月以降6か月連続して1.%を超える増加です。いい数字だといえるでしょう。 賃金と雇用を合わせて考えると、労働者の受け取っている所定内給与全体は名目で、-0.5%プラス1.2%で0.7%の増加です。いいとも言えませんが、悪いわけでもありません。現金給与総額なら+1.1%で、これは悪くありません。ただし、消費者物価(持ち家の帰属家賃を除く総合)は1.9%上昇していますので、実質でみると減少です。勤労者家計の消費に懸念が残ります。 2月の一人あたりの総実労働時間は、0.2%の減少です。雇用の伸び1.2%と合わせると、労働投入量は1.0%の増加です。消費税引き上げ前の駆け込み需要に応じるための増産の効果があると思います。 人気blogランキングでは「社会科学」の23位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング