今回は、「
来春の賃上げを考える その2」で予告した通り、2008年第二四半期の状況を検討します。
賃金、雇用、賃金収入の状況(対前年同期比%)項目 | フルタイム労働者 | パートタイム労働者 | 合計 |
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常用雇用 | 2.2 | 3.6 | 2.5 |
現金給与総額 | 0.3 | 0.4 | 0.0 |
所定内給与 | 0.2 | 0.4 | -0.1 |
所定内労働時間 | - | -2.2 | - |
1時間当たり所定内給与 | - | 2.6 | - |
賃金収入 | 2.5 | 4.0 | 2.5 |
この期にはフルタイム労働の常用雇用がかなりの増加を示していました。また、フルタイム労働者の現金給与総額、所定内給与もわずかですが増加していました。賃金収入も増加していました。パートタイム労働者でも同じです。特に1時間当たり所定内供与は2.6%という高い伸びを示していました。
平均すれば所定内給与は微減ですが、これはパートタイム労働の増加率がフルタイム労働の増加率を上回っていたためです。
前回の説明と合わせて言えば、次のようになります。
①この間に景気は回復したもののフルタイム雇用が減っていたために実感がわかなかった。
②しかし、最後の段階ではフルタイム雇用が増え始めていた。
残念なことに
リーマンショックによりこの景気回復には終止符が打たれ、フルタイム雇用は再び減少します。ショックがなく、景気回復が続いていれば、実感できる回復になっていたのだろうと思っています。
なお、フルタイム雇用が増えだすまで長い助走期間が必要だったのは、1997年の
金融危機、
アジア通貨危機などによる打撃が日本経済の芯まで響くものであったからだと思います。
リーマンショック後の課題は、まず、2008年第二四半期ぐらいまで雇用や賃金を回復させること、特に、フルタイム労働の雇用を回復させることです。これができれば、
リーマンショックの前に戻って回復経路をたどる可能性が高くなるからです。
では、現在、どこまで回復したのでしょうか?次回はこれを検討します。
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