「国債金利について」について

厭債害債さんが、「国債金利について」で、こんなことを書かれています。( )内は平家が補いました。

そしてその(国債への)特需がいつまでも続かないことも明らかである以上、早い段階で(国債の)「供給サイド」を絞る手立てを考えるのは当然ともいえます。

ちょうど、財務省が「平成24年度予算のポイント」(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan001.pdf)を発表しているので、国債について考えてみます。

ついでですが、この資料HPのポータルサイトでは、「平成24年度予算のポイント」となっているのですが、実物は「平成」が抜けて「24年度予算のポイント」になっています。珍しいミスです。ついでに言えば、まだ国会で可決されていないものを「予算」と呼ぶのも妙です。本来なら「政府予算案のポイント」とすべきでしょう。

ま、それはさておき、予算案を見ると、税収は、42兆円、23年度に比べて1兆円増えています。ご同慶の至りです。

歳出は国債費が22兆円です。このうちの利払い費は、10兆円です。地方に渡す部分が、17兆円。利払い費と地方へ渡す分を税収から差し引くと15兆円です。

15兆円以内に国の支出を抑制できれば、国債残高は減ります。つまり、国債の供給サイドが絞れるわけです。可能でしょうか?国の支出は52兆円です。これも年金の負担の一部を交付国債で賄ったので減っている部分があります。52兆円を15兆円に減らすためには37兆円カットする必要があります。70%カットです。

人件費は7兆円あります。小中学校の先生たちの給与の国負担分が2兆円、自衛隊員の分が2兆円、行政機関の職員の分が3兆円です。全額カットするとしてもあと30兆円減らす必要があります。60%カットです。

まず、不可能でしょう。大体、年金で8兆円、医療で9兆円、介護で2兆円、生活保護で3兆円。これだけで22兆円あります。これを四分の三に減らして、あとは全部カットしても、15兆円では足りないのですから。

無駄をなくしてからという口実で、必要な額への負担も先送りしていると、国債残高が増加を続けます。厭債害債さんが懸念されている利子率の上昇が起こらないことを願うばかりです。

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