子供の生み方は変化しているのか?

晩産化と少子化」の続きです。

さて、女性の子供の産み方はどう変わってきているのか、さらに減っていくのか、横ばいか、あるいは増えていくのか、どうなるのでしょう。将来のことはわからないのですが、最近の事情は分かります。

このページ(↓)の表の2を見てください。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo06/syussyo1.html#04

女性の年齢別に、それまで生んだ子供の数の平均が書かれています。女性の生まれ年、つまり年齢ごとに書かれているので、変化が分かります。

一番左の24歳の欄を縦に見ていきましょう。昭和7年生まれの女性は24歳まで、つまり昭和31年までに0.65人の子供を産んでいます。0.6人を割ったのが昭和9年生まれです。以後、昭和29年生まれまで21年間0.5人台が続きます。昭和30年生まれで、初めて0.4人台に落ちるのですが、落ち方は急激です。0.4人台は昭和32年生まれまで3年しか続きません。昭和33年生まれでは、0.38人。これから昭和39年生まれまで7年間0.3人台が続きます。そして昭和40年生まれで、ついに0.2人台に下がります。以後、昭和60年生まれまで、ずっと0.2人台が続いています。

この期間の中で、昭和52年生まれ、53年生まれでは0.20人と、0.2人台のギリギリまで落ちます。0.1人台に入るかというところで、昭和54年生まれで0.21人に回復します。そして、以後ずっと0.21人が続いています。

現在は、24歳までの間の出生数は極めて安定しているといってもいいでしょう。反転して上昇するという結果は出ていません。

一つ左の欄が29歳までに産んだ数です。こちらは昭和20年生まれの1.67人がピークで、以後低下していきます。それでも昭和38年生まれまでは1人台を維持しています。昭和39年生まれで初めて1人を割り、0.99人になります。そして昭和52年生まれ、昭和53年生まれで0.64人となったのがボトムです。

昭和54年生まれ、昭和55年生まれで、0.65人と、少しだけあがっています。では、これから上がり始めるかというと微妙です。これ以後の女性は24歳までは安定が続いて反転はしていません。上がるとしても、大幅に上がると考えるのは楽観的すぎるような気がします。

さらにもう一つ左の欄を見ます。34歳までの子供の数です。こちらのピークも昭和20年生まれで2.02人です。こちらは最初のうち波を打っています。本格的に下がり始めたのは昭和30年生まれからで、1.85人。あとは傾向としては下がり続け、昭和48年生まれで1.15人という結果になっています。こちらは反転の兆しはありません。ただし、昭和47年生まれ以降、下がり方はわずかなものです。

これから見ると、どうも子供の数は安定してきているようです。経済学でいう定常状態に入りつつあるようです。反転まで行く可能性がないわけではありませんし、また、減り始めるというるという恐れもあります。

ところで、この「平成22年度「出生に関する統計」の概況」統計からはもう一つ深刻な事態が起こっているのが読み取れます。(続く)

ここをクリック、お願いします。

人気blogランキング

人気blogランキングでは「社会科学」では27位でした。