晩産化と少子化

結婚期間と第一子誕生」の続きです。

結婚の時期や結婚してから第一子出産までの期間の変化は、一人の女性が一生の間に産む子供の数や時期にどのような影響をもたらしたのでしょうか。

このページ(↓)の図5を見てください。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo06/syussyo1.html#04

横軸が女性の年齢です。縦軸が産んだ子供の数です。

曲線が6本ありますが、一番上が昭和30年生まれの女性、一番下が昭和55年生まれの女性の平均です。

同じ年齢を見ると、昭和30年生まれの女性のほうが、昭和55年生まれの女性よりも多く子どもを生んでいます。他の生まれ年で比べても同じで、後の時代に生まれた女性ほど同じ年齢になったとき生んでいる子供の数は少なくなっています。

ためしに、29歳を見ましょう。昭和30年生まれの女性は29歳になるまでに平均して1.4人の子供を産んでいます。昭和35年生まれは、1.2人、昭和40年生まれは1人を割って0.9人強に減っています。昭和45年生まれは、0.8人弱、昭和50年生まれは0.7人弱、そして昭和55年生まれは0.6人強です。

減り方が大きいのは昭和35年生まれと40年生まれの間です。それからも減ってきていますが、減り幅は少し筒小さくなって、昭和50年生まれと昭和55年生まれの差はほとんどありません。

水平方向に見ると、同じ子供の数になった年齢を比較できます。

平均して子供一人を生んだ年齢を見ると、

昭和30年生まれの女性は27歳、

昭和35年生まれは、28歳、

昭和40年生まれは、30歳、

昭和45年生まれは、31歳、

昭和50年生まれは、32歳です。

着実に子供を産む時期は遅くなってきています。晩産化現象です。

では、一生の間に産む子供の数はどう変わってきているでしょうか?

50歳を超えて出産するというのはごくまれなので、49歳の時の子供の数を見ましょう。

昭和30年生まれの女性は平均して1.98人生んでいます。ほぼ人口を維持できる数です。

昭和35年生まれは、少し減って1.85人です。

昭和40年生まれは、まだ44歳ですが、この時点では生んだ子供の数の平均は1.60人です。これからも生むでしょうが、1.6人台の前半にとどまるでしょう。

昭和45年生まれは、40歳ですが、これまでに産んだ子の数は平均すると1.42人。49歳までまだ9年ありますが、1.5人には届かないでしょう。

昭和50年生まれは、35歳で1.14人、昭和55年生まれは30歳で0.65人です。ついでですが昭和60年生まれは25歳で0.21人です。

少子化を一生の間に産んだ子供の数が少なくなっていくと、と考えると、昭和50年生まれぐらいまでは確実に少子化が進んでいます。晩産化自体はそれほど問題だとは思えません。少子化は人口に影響します。

その意味で私が注目しているのは昭和55年生まれ、30歳の女性です。0.65人生んでいます。5年年上の昭和50年生まれの女性は30歳で0.68人、35歳で1.14人産んでいました。昭和55年生まれが30歳代前半で平均して0.49人産むと昭和50年生まれに追いつきます。もし追いつけば、少子化に歯止めがかかったということになります。

次回、この可能性を考えてみる予定です。

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