それほどアニマルではなかったかもしれないアメリカ商業銀行

3ヶ月後の「あまりにもアニマルなアメリカ商業銀行」」で「アメリカの商業銀行の「アニマル・スピリット」に満ちた「レバレッジ経営」も、1-3月の循環表を見ると、修正されつつあるようです。」と書いたのですが、4-6月の資金循環表が発表されて、びっくり仰天です。

過去にさかのぼって数字が大幅に修正されています。

(注)ここで商業銀行というのは、U.S.-Chartered Commercial Banksのことです。

「金融資産のほうが負債より少ないので、びっくり仰天していた」のですが、なんと逆転しています。

2004年末         マイナス5,264億ドル⇒プラス2,018億ドル

2005年末         マイナス5,188億ドル⇒プラス2,691億ドル

2006年末         マイナス5,487億ドル⇒プラス4,253億ドル

2007年末         マイナス6,375億ドル⇒プラス4,700億ドル

2008年第1四半期末  マイナス5,555億ドル⇒プラス4,578億ドル

2008年第2四半期末  マイナス5,419億ドル⇒プラス5,178億ドル

2008年第3四半期末  マイナス3,838億ドル⇒プラス7,644億ドル

2008年末         マイナス1,787億ドル⇒プラス9,360億ドル

2009年第1四半期末  マイナス1,234億ドル⇒プラス8,669億ドル

2009年第2四半期末(今回追加)          プラス8,076億ドル

1兆ドルも変わるとは一体どういうことでしょう?

金融資産は、1兆18億ドルまで減っています。なお、金融資産÷(金融資産-金融負債)を計算すると12.4倍です。一番高かったのは2004年末の34.0倍ですから、ずいぶんレバレッジを聞かさなくなったものです。保守化といってもいいでしょう。

保守化という点では、国債(Treasury securities)残高が、827憶ドルに増加しています。ただ、不動産担保の債権を証券化した債券(Agency-and Government-Sponsored-Enterprises-backed securities)も増えています。なんだか妙な具合です。

3ヶ月経ったら、また大修正でなければいいのですが。

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