伊東光晴著 『現代に生きるケインズ』

ここ数年間読んだ経済学の本の中で、一番衝撃を受けたもの。

83ページの冒頭

ケインズによって開拓された国民所得決定理論は、新古典派の経済学のように経済主体の合理性という仮定の上に生まれる法則ではない。」

87ページ4行目

「これは新古典派の理論のように、経済主体の行動に特殊な仮定を置くものの上に作り出された理論ではない。」

91ページ6行目

「人々の極大行動があろうがなかろうが、社会的法則として生ずるマクロの関係である。」

要するに、ケインズ経済学のミクロ的基礎を議論すること自体的はずれ、と主張されているのではないか?であれば、合理的期待形成を前提とするマクロ経済学やそこから導き出される政策提言などなど無意味ということになります。この点についての、専門家の意見が聞きたいものです。

econ-economeさんは、「マクロ経済学を勉強している学生さん向きの本なのかなぁ。」(http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20060706)とおっしゃり、確かに読みやすいことは事実ですが、かなり、根本的なところについて論争的な本でもあります。

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