契約社員 その4

契約社員 その3」の続きで,厚生労働省の「平成17年有期契約労働に関する実態調査結果の概況」(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0614-1.html)へのコメントです。

今回は労働者の回答から考えてみます。

契約社員は、男女とも「主に当該有期契約による賃金収入で暮らして」います(表26)。

契約社員は、「専門的能力」を発揮することになっているのですが、具体的にどのような仕事についているのかをみると、少し、意外なことになっています(表28)。

「専門的、技術的な仕事」についているのは、男性の40%、女性の31%です。男性の2位は、「生産工程・労務の仕事」です。女性は、もっと想定と外れていて「事務的な仕事」が38%で、こちらが一位です。事務的な仕事でも「専門的能力」を発揮することはあるでしょうが、4割近い方が全部そうでしょうか?

表35で業務の専門性を正社員と比較しているのですが、これを見ても「同じである」が57%で、「より専門性が高い」は17%しかありません。「より専門性が低い」が16%もあるので、全体を見れば殆ど差がないということになりそうです。

また、契約期間を定めて就業している理由を聞くと(複数回答です)(表29)、トップは「正社員として働ける職場がないから」(41%)です。

ちなみに「期間満了後は辞められるから」が14%で、「一つの会社に縛られたくないから」は、わずか4%です。

契約期間満了後の希望を聞くと(表33)、「契約更新をしたい」は55%いますが、「現在の会社で正社員として働きたい」が21%、「現在の会社で非正社員として、継続して(期間の定めのない契約で)働きたい」が5%、「別の会社で期間の定めのない契約で働きたい」が7%います。あわせると33%が期間の定めのない契約で働きたいと考えていることになります。男女別の数字が示されていないのですが、男性60歳未満をとるとこの数字はもっと高くなるような気がします。

この契約社員のうち、本当に有期契約を望み、「専門的能力」を発揮している労働者はどれぐらいいるのでしょうか?

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