「銀行の税金 その4

全国銀行協会が、全国銀行の17年度決算を発表しました。http://www.zenginkyo.or.jp/stat/kessan/index0509.html

単体ベースのものの税金関係を見てみます。

まず、納税額です。

法人税・住民税・事業税は、3,008億円です。16年度は1,889億円でしたので、59.2%の大幅増加です。

過去に税金を払いすぎていたために、今回払わないで済んだ額、「法人税等調整額」は、1兆4,240億円。16年度は、1兆1,203億円ですから、これも21.7%の大幅な増加です。利益が増えたことを反映しています。この仕組みについては「銀行の税金 その1」と「銀行の税金 その2」をお読み下さい。

もし、過去の払いすぎがなかったとしたら、法人税・住民税・事業税は、3,008億円+1兆4,240億円=1兆7,248億円であったはずです。

では、過去に払いすぎた税金の残高を反映した、今後の「法人税等調整額」の元となる「繰り延べ税金資産」の残高がどれぐらいかというと、3兆1,231億円です。16年度末が5兆8,600億円ほどでしたので、46,7%、2兆7,000億円の減少です。

18年度も17年度並の税引き前利益を上げられれば、この残高はほぼゼロになります。1997年に以降の金融不安の税制面での影響はようやく消えることになります。不良債権処理も概ね終わっているので、銀行セクターのデフレ処理は完了すると言うことです。

18年度の納税額(税収)はある程度増えるでしょうし、19年度も同じであれば、国の19年度税収は増税などしなくとも増えるはずです。

18年度の景気を維持できるかどうかが問題です。今年度の経済運営が鍵を握っています。

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