「
嘱託社員 その3」に続いて、「業務の恒常性」についての正社員との比較です。
この調査で、「業務の恒常性」とはこうなっています。「恒常的な業務とは、一定期間後に作業終了が予定されているなどの変化がなく、事業所に常時必要とされている業務。」「臨時的な業務とは、一定期間で作業終了が予定される業務(プロジェクトの完了等)や、歳暮の発送など毎年繰り返される業務であっても一定期間しか行われない業務。」
ここで考えられている恒常性は、業務がなくなることが確実に期待されていると言うことです。おそらく、業務がこのような意味で恒常的でなければ、有期契約を結ぶことに合理性があります。歳暮の発送業務のために期間を限ってアルバイトを雇うことの合理性を誰も否定しないでしょう。
しかし、普通に恒常性と言った場合には、このほかに景気の変動などによって業務量が不安定になることはないといった場合もあります。こちらも有期契約を結ぶ理由の一つなのですが(表4では、嘱託社員を有期契約とする理由を「
景気変動への対応のため」とする事業所が7%あります。)、この調査ではこういうものは「恒常性」とは別な概念として捉えようとしています。
やや、気になるのが調査に回答した事業所や労働者が、この調査の「恒常性」の意味を正しく理解してくれたかどうかです。
正社員と比較した嘱託社員の業務の恒常性は、事業所については表14で、嘱託社員については表37で集計されています)。
業務の恒常性(%)選択肢 | 事業所 | 労働者 | より恒常的である | 8 | 10 |
同じである | 77 | 72 |
より臨時的である | 7 | 9 |
比較できる正社員がいない | 5 | - |
わからない | - | 5 |
恒常性については、事業所、労働者の理解に大きな差はありません。恒常性については、正社員と大きな差はないということで一致しています。おそらく、定年後の再雇用ということで、これまでやってきた仕事の延長上の仕事をしており、臨時的な仕事に就いているのではないからでしょう。
景気変動の影響の緩衝材にはなりにくいということのようです。比較的、安定した仕事に就いていると言うことは、本人にとっては幸せなことでしょう。
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