1回で終わらせるつもりだったのですが、終わりそうにありません。「
嘱託社員」の続きです。
今回は、
非正社員の問題を扱うときいつも問題になる正社員との比較です。実は、この比較は、
どのような正社員と比較するのかが明確でないと、答えの意味を解釈するのが難しいのです。正社員と言ってもいろいろあるからです。入り立ての新入社員もいれば、ベテランもいるように。
正社員の仕事と比較した業務の専門性についての集計です(表12と表35)。事業所への質問と当人への質問があるので比較ができます。ただ、選択肢に微妙な差があります。
この質問には少々難があります。というのは
専門性という言葉のニュアンスです。嘱託職員の「業務の専門性」が高いと言うときに、レベルが高く専門家でしかできない仕事を嘱託職員がしているといった意味も考えられますし、嘱託職員には特定の仕事だけをしてもらっているとも取れるからです。質問者の意図は多分前者だったのでしょう。
業務の専門性(%)選択肢 | 事業所 | 労働者 | より専門性が高い | 22 | 20 |
同じである | 57 | 60 |
より専門性が低い | 10 | 11 |
比較できる正社員がいない | 8 | - |
わからない | - | 6 |
事業所の見方と嘱託職員自身の見方には大きな差がありません。長く勤めてきたのでお互い共通の理解を持っているようです。これは
労務管理の上で大事なことです。
質問者の意図通り受け取られているのであれば、定年後のベテランとなると正社員か、それ以上の仕事をしている割合は8割以上です。かなり高度な仕事をしているようです。2007年問題で熟練労働者がいなくなることをおそれるのも無理はありません。逆に言えば、
高齢者の活用の余地は十分あるということです。
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