数値目標 その1

社会保険庁の職員による国民年金保険料免除の不正手続きが話題となっています。

国民年金の保険料免除制度については、慶応大学の権丈先生が的確な評価をされているように思えます(http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare44.pdf)。

ここでは、数値目標について考えて見ます。

行政組織に対する数値目標というのは、何か目標となる数字を与えて、それを達成するように行政組織に求めるものです。行政組織が国民が望むような行動をするようにさせるためのツールです。

これが有効に機能するための大前提は、数値目標を与えたときに、行政組織に所属する職員、普通は公務員が、それを達成しようとするということです。これがなければ、数値目標を与えてみても効果は期待できません。

この大前提には保守親父@労務屋さんが指摘されるように(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20060526)「ノルマ未達でも解雇されるわけでもなく、成果主義で賃金が減らされるわけでもない」公務員に対して数値目標が有効かという疑問はあります。しかし、社会保険庁の公務員が、ばれれば処分されて減給されたり、悪ければ免職されるリスクを冒してまで、何が何でも目標を達成しようとした実例を見ると、公務員は数値目標に反応すると考えていいようです。

なお、未達成のときは幹部のボーナスに響くようになっていたという説もあります。確認できません。

社会保険庁職員の過剰反応、暴走は、これはこれで興味ある話題なのですが、まだ、全容が明らかになっていませんので、今日は取り上げません。

では、何が悪かったのか?一つの仮説を提示してみたいと思います。

数値目標が不適切な設定をされていた。適切な数値目標を設定すべきであった。

これが私の仮説です。ノルマがきつすぎたという数値の水準のことではありません。納付率という指標それ自体です。

(続く)

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