リフレ政策の検討 その11-合理的期待形成2-

リフレ政策の検討 その10-合理的期待形成1-」では、現在の問題しか扱わない場合のことを考えましたが、人間には将来というものがあります。

この場合、現在どのように行動するかを決めるときに、将来のことを考慮に入れる必要があります。

将来といってもいろいろあるのですが、一番簡単な例として「週」を考えることができます。例えば「今日」が水曜日だとします。「週末」には、映画に行こうとか、ドライブに行こうとか、食事をしにいこうとか、買い物に行こうと計画しているので、今日はお金があっても映画、ドライブ、食事、買い物に行かないことにしよう。こう判断している人は将来を予想して現在の消費を決めています。遊園地の売店では、週末前には仕入れを多くしておくでしょう。

もう少し長い単位を考えると、月でしょうか。

月給制の労働者なら、給料をもらってもすぐに使わず、次の給料日までのことを考えて使うでしょう。これも将来のことを考えて現在の支出を決める例です。

季節というのもあります。冬が来る前に、冬支度をしなければならにと思えば、そのための費用を取っておくでしょうし、冬が来る前に買い物を済ますでしょう。衣料を売る店なら冬が来る前に冬物を仕入れ、売り始めるでしょう。

1年に1かいおこるものもあります。正月、ゴールデンウィーク、クリスマス、大晦日。企業であれば決算もありますね。これらを予想して様々な経済活動が行われます。

さて、これらの予想が当たれば、特に計画を変更する必要はありません。予想と違う状況になった時だけ、予定を変更するのです。計画とは違う行動をとるのは、予想が外れたときです。

ただし、計画を立てる時に、基準にしていた評価の基準そのものが変われば話は別です。

さて、今回挙げた例は基本的には、比較的規則的で、将来のことといってもほぼ確実です。問題は不確実な未来です。遠い未来ほど不確実で、予想は困難です。

(続く)

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