市場化テスト その3

市場化テスト その2」に続く、市場化テスト法案シリーズ第3弾です。前回が採用でしたので、今回は給与、分限(降任・休職・免職、懲戒)です。

給与

国家公務員の給与は、国家公務員法に基本的な原則が書かれ、具体的なことは国家公務員給与法に書かれています。委託先企業は、全く自由に決めることができます。そうしないと市場化の意味がないのでしょう。

降任・休職・免職

言葉を国家公務員法からとりましたので、堅い印象ですが、要するに、左遷・休職・解雇です。

国家公務員について、「身分保障がある」という表現がよく使われます。免職、降任は次のような理由がなければできません(国家公務員法第78条)。

1 勤務実績が良くない場合

2 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、またはこれに堪えない場合

3 その他その官職に必要な適格性を欠く場合

4 官制若しくは定員の改廃または予算の減少により廃職または過員を生じた場合

これを見る限り、特に4を考慮すると、それほどの身分保障ではないような気がします。意外に思われるかもしれませんが、国家公務員の定員は減少を続けており、そのままだと4で人員整理が行われたかもしれないのですが、退職者の補充を抑制する、つまり採用抑制で人員削減に対応しています。

市場化テストで、ある役所が丸ごと廃止されたときには、4の発動と言うことになるかもしれません。

この場合、民間企業は最初に徹底的に安くコストを割ってでも入札し、1回勝てばいいのです。負ければ役所は人員整理をせざるを得ず、次回再挑戦することはありません。公正な入札であっても、勝てば必ず、国家公務員がいなくなりますから、再度役所と競争する必要はなくなります。国は一度も負けられないのです。民間企業にとってはいいビジネスチャンスです。ただ、国家公務員の側からみれば、非常に不公平で安心できない仕組みでしょう。

もっとも、国がそのような不安定な職場になったとき、現在の給与水準で、国が必要な人材を雇用できるかどうかは疑問です。結局、多少のコスト削減と引き替えに大きな犠牲を払うことになるかもしれません。

懲戒は次回に取り上げます。

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