パートタイム労働者の賃金 その9

パートタイム労働者の賃金 その8」で、列挙した「基幹」でない仕事以外の仕事、つまり基幹的労働というのは、企業の本業部分であり、ある程度以上の熟練、経験、判断能力を要する仕事ということになります。 このような仕事にパートタイム労働者がついた場合に、そのパートタイム労働者は基幹的労働者だと言えるでしょう。本格的基幹化です。このようなパートタイム労働者がどれぐらいいるのか、パートタイム労働者のどれぐらいの割合になっているのかはよく分かりません。 このような基幹化の一つのルートは、かつてフルタイムの基幹労働者であった女性が、結婚、出産、育児のため一旦退職し、その後ある程度の期間をおいて再び働き始めるというコースがあります。この場合、家庭との両立のため、短時間労働を選ぶと言うことです。すでに、経験があり、熟練を形成していますので、基幹的な仕事をすることができます。「パートタイム労働者の賃金 その2」で示した医師、看護師、薬剤師などの専門職の場合、このようなコースは比較的多いのではないかと思います。また、銀行や商社など自社を退職した女性を子会社である派遣会社で雇用し、派遣を受けるというケースもあるようです。 もう一つのコースは、パートタイム労働者が入門的な仕事に採用され、徐々に経験を積み、熟練度を上げ仕事のレベルをあげていくというコースです。 他にも、様々なコースがあると思われます。基幹化がどのような仕事、どのようなパートタイム労働者、どのようなプロセスで、進行しているのかいろいろな事例の検討が必要だと思います。 次回は、基幹化と紛らわしケース、あるいは境界領域のケースを検討したいと思います。 (続く) 人気blogランキングでは「社会科学」の37位でした。クリックしていただいた方、ありがとうございました。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング