パートタイム労働者の賃金 その8

パートタイム労働者の賃金 その5」で、取り上げたパートタイム労働者の「基幹化」について考えてみます。

この「基幹化」はパートタイム労働者が「基幹労働」を担う「基幹労働者」になりつつあるという主張とともにでてきた議論なのですが、そもそも「基幹労働」とは何なのか、パートタイム労働者のどれぐらいが「基幹労働」についているのか、やや曖昧なまま議論が進められている。そんな印象を私は持っています。パートタイム労働者が「基幹化」しているという主張は、パートタイム労働者に「基幹労働者」ふさわしい賃金を支払うべきだという主張と表裏一体です。

なお、「基幹化」には質的なものではなく数的なものを認める考え方もあるようですが、これも私にはよく分かりません。

さて、基幹労働と対をなすものとして考えられるものがいくつかあります。

最初のものはいい言葉が思いつかないのですが、「周辺労働」とでも呼ぶべきものです。(縁辺労働力というと別な意味になってしまうので、変な言葉ですが、この言葉を使います。)製造業で考えると製品の開発、生産、販売などのその企業の本質的な部分以外に「警備」、「清掃」、事務所などの「メインテナンス」、「受付」、「社員食堂の調理、配膳、売店の販売など福利厚生施設の仕事」、「寮や社宅の管理」、役職者などのための「運転」、通勤バスの「運転」などの業務があります。(「ありました。」といった方がいいかもしれません。)

二番目は、事務所などでのかつてお茶くみ、掃除、清書、書類運び、「女の子の仕事」とされてきた仕事です。差別的な意味で言っているのではありません。以前こういう扱いがったと言うことです。

三番目は、アシスタント(補助)の仕事です。外回りの営業を男が行い、その後の事務処理を女性がやるといったケースです。現在もあると思います。(このような分担を、私が肯定しているわけではありません。)

四番目は、単純、定型的な仕事です。熟練をあまり要しない仕事といってもいいでしょう。

五番目は、入門的な仕事です。将来、基幹労働者として育成すべき労働者に最初にやらせる仕事です。経験を積ませるための仕事といってもいいでしょう。ホワイトカラーにもブルーカラーにもあります。それがどれぐらいの期間の間にやる仕事かと言うことなのですが、職場、仕事によってかなりさはあると思いますが、通常の場合(何が通常かは後ほど説明します。)、1,2年位ではないかという気がします。

これらの仕事の間には、当然重なりがあります。

(続く)

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