「
パートタイム労働者の賃金 その6」についてrascalさんからコメントをいただきました。その中で若年者の側からのパートタイムの問題提起については、未だ完全には考えがまとまっていませんが、少しデータに基づいて。
厚生労働省の雇用動向調査の17年上半期結果です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/05-1/gaiyou.html
6表を少し加工してみると面白いことが分かります。前職がパートタイム労働者であって、転職に成功した労働者に限ってみると、こうなっています。
前職がパートタイム労働者であった者の転職(%)転職後の雇用形態 | 女性 | 男性 |
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一般(フルタイム)労働者 | 24 | 39 |
パートタイム労働者 | 76 | 61 |
このデータでは、若年者に限っていませんので、男女差が大きくなっています。主婦などの場合、最初からパートタイムを希望する方がいますので。
また、パートタイムのまま転職しない人も大勢います。
しかし、パートタイム労働からフルタイム労働への移行が不可能というわけではないのです。もちろんこのフルタイム労働は正社員とは限りません。しかし、フルタイムであれば年金、医療、
雇用保険では正社員と同様に扱われます(企業がインチキをしなければです)。ある程度の所得とセイフティーネットの確保ができます。
このようなフルタイムへの移行を進めることが若年不安定就労対策の第一歩です。パートタイム労働者である限り時間あたり賃金を高くしても所得という点ではそれほど大きなものになりません。労働時間が6割なら所得は6割です。また、
社会保険の目からも落ちてしまいます。パートタイム労働対策、特に均衡待遇で改善するのは無理でしょう。
注 この統計をもっと詳しくお知りになりたい方は、
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