政府の大きさ その1

政府の大きさはどれくらいなのか。調べてみようと思います。 あらかじめお断りしておくと、「【極論】小さな政府がもたらすもの」で書かれている政府が大きいかどうかは手段でしかなく、大事なのは生活がどうなるかだというご意見には大賛成なのです。 政府の大きさといっても、法律の数とか、役人の数とかいろいろ計り方があります。政府の持っている財産、借金でもはかれます。今回は、政府の経済活動の大きさを測ります。もっと具体的に言うと、「どのような方法で、どれぐらいの収入を得ているのか、どれぐらいの額を、どのように使っているのか?」です。 まず、政府の範囲を決めなくてはなりません。国もあれば地方もある。一般会計も特別会計もあります。公営企業や独立行政法人もあります。 今回は「国民経済計算」で定義されている「一般政府」を取り上げます。中央政府、地方政府、社会保障基金からなります。公営企業などの「公的企業」は含んでいません。なお、「一般」という言葉から一般会計と誤解されることがあるようですが、そうではありません。特別会計も含んでいます。特殊法人独立行政法人も含んでいます。「国民経済計算では、」様々な政府機関をその活動の実態によって「一般政府」と「公的企業」に分けています。その分類は、かなり複雑ですので、具体的には、「国民経済計算における政府諸機関の分類」をご覧下さい。 結果は次の通りです。
一般政府の支出と収入(単位:兆円)
項目1980年度1990年度2000年度2003年度
Ⅰ 財産に対する支払い7.916.417.014.2
内利子7.816.216.713.9
Ⅱ 補助金3.83.64.23.9
Ⅲ 社会給付(現物を除く)16.431.251.054.8
1 社会保障給付10.423.541.444.6
2 無基金雇用者社会給付1.52.32.73.0
3 社会扶助給付4.55.46.97.3
Ⅳ 社会給付以外の経常移転2.04.95.15.5
Ⅴ 現物社会移転18.632.147.949.4
1 現物社会給付9.117.027.930.0
2 個別的非市場財などの移転9.415.120.119.4
Ⅵ 集合最終消費支出14.726.037.038.6
Ⅶ 資本移転2.42.77.84.9
Ⅷ 純固定資本形成12.215.413.77.3
Ⅸ 土地の購入(純)2.44.54.12.9
支出合計80.7136.7187.8181.5
(参考)総固定資本形成14.621.626.021.0
(参考)社会給付25.548.278.984.8
Ⅰ 生産・輸入品に課される税17.834.942.640.8
1 生産物に課される税9.316.823.522.9
付加価値税0.05.812.412.1
2 生産に課されるその他の税8.618.119.117.9
Ⅱ 財産所得4.811.49.97.4
内利子4.610.89.26.7
Ⅲ 所得・富などに課される税27.360.946.336.7
内所得に課される税26.459.043.834.3
Ⅳ 社会負担17.936.950.551.8
1 雇主の強制的現実負担7.816.622.422.3
2 雇用者の強制的現実負担8.618.025.526.6
3 帰属社会負担1.52.31.31.2
Ⅴ 社会負担以外の経常移転0.71.41.31.2
Ⅵ 資本移転1.33.23.26.0
内居住者の資本税0.41.91.81.4
収入合計69.9148.6153.7143.9
(参考)税45.697.790.779.0
収入マイナス支出-10.711.9-34.1-37.5
(参考)純利子支払い3.25.47.67.2
次回は、この表の説明をしたいと思っています。 (11月8日追記 少しわかりにくかった文章を整理しました。2003年度の総固定資本形成は21.0兆円の誤りでしたので修正しました。すいません。) 記事ページ合計が30,000を超えました。ありがとうございます。 人気blogランキングでは「社会科学」の34位でした。クリックしていただいた方も、ありがとうございました。この記事が一読の価値があると思われた方↓クリックをお願いします。 人気blogランキング