派遣労働者の実態 その1

「派遣労働者の謎 その2 年収300万円稼いでいるか?」について」で、「派遣労働者についての統計が整備されつつある」と書いたのですが、厚生労働省から「派遣労働者実態調査の概況」が、発表されました。↓

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/haken/04/index.html

およそ、8,000の事業所、14,000人の労働者から回答を得ていますので、それなりに信頼できるでしょう。実際にはもっと多くの事業所に調査票を送ったようですが、回答しなかった事業所が相当あるようです。もう少し、社会的責任を考えて欲しいものです。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/haken/04/tyousa.html

中身を見ていきましょう。表1で派遣労働者が就業しているかどうかが示されています。およそ3分の1の事業所で派遣労働者が就業しています。少ないと感じられるかもしれません。

一つの理由は、小さな事業所であまり派遣労働者がいません。30人から99人の事業所では7割以上で派遣労働者がいないのです。これに対して500人以上では8割近くで派遣労働者がいます。大きな事業所の方が目立ちますから、実際より多めに感じられているのでしょう。

もう一つの理由は、平成16年8月31日に、派遣労働者がいるかどうかを問うているからです。もし、平成16年1年間に1日でも派遣労働者が、働いていたかどうかを聞いていればもっと高い割合になっていたでしょう。

事業所の種類別に見ると、研究所(51%)、事務所(41%)で派遣労働者が多く、店舗(25%)では低くなっています。工場・事業所(33%)、営業所(33%)はその中間です。

よく話題になる、そして常の過大評価される傾向のある労働者数は、96万人です(表2)。男女別では男性が4割、女性が6割です。産業によって男女比は随分差があるようです。

女性の割合が高いのは、

1位 金融・保険業          93%

2位 医療・福祉           84%

3位 電気・ガス・熱供給・水道業 81%

4位 卸売業              81%

5位 建設業              80%

6位 教育、学習支援業       79%

7位 飲食店・宿泊業         79%

8位 生活関連サービス業     77%

といったところです。

低いのは

1位 運輸業             28%

2位 機械関連製造業       38%

です。

(続く)

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