「
パートタイム労働者が減りはじめた?給料は増え始めた? 続報」について
17年7月の毎月勤労統計の確報が発表されました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/17/1707fr/mk1707r.html
7月は、パートタイム労働者が0.8%増加し、一般労働者(フルタイム労働者)が0.4%増加しています。久しぶりにパートタイム労働者の増加率がフルタイム労働者の増加率よりも高くなっています。
一般労働者の増加も続いているので、多いに結構なことですが、今後、またパートタイム労働者の増加率が高くなる、つまりパートタイム労働者の比率が上がり始めるのでしょうか。
これを考えてみようと思って、1月から7月までの産業別の平均を調べてみました。パートタイム労働者の多い順に並べてあります。
産業別労働者数増加率(千人)産 業 | 全体の増加率 | 一般労働者数 | 増加率(%) | パートタイム労働者数 | 増加率(%) |
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産業計 | 0.5 | 32,141 | 0.5 | 10,856 | 0.8 |
卸売・小売業 | -0.3 | 5,269 | -0.2 | 3,715 | -0.5 |
飲食店、宿泊業 | -0.2 | 989 | -0.2 | 2,029 | -0.4 |
サービス業 | 1.5 | 4,226 | 0.9 | 1,475 | 3.3 |
製造業 | 0.3 | 7,409 | 0.3 | 1,159 | 0.8 |
医療・福祉 | 3.4 | 3,291 | 2.3 | 1,020 | 6.8 |
これを見ると、産業によってかなり差があるようです。
卸売・小売業では産業全体の労働者が減る中で、一般労働者もパートタイム労働者も減らしているのですが、パートタイム労働者の減少率が高くなっています。不況のときに、雇用調整の容易なパートタイム労働者から減らしているのかもしれません。もし、パートタイム労働者への置き換えが必要ということであれば、コストの高い一般労働者を大幅に減らすはずです。置き換えの動きは止まっているような気がします。
飲食店・宿泊業では、全体が減る中、一般労働者が増え、パートタイム労働者が減るという、随分変わった動きになっています。パートへの置き換えをやりすぎた反動がでている可能性があります。
サービス業、製造業、医療福祉では、全体も一般もパートタイムも、そろって増加です。どの産業でもパートタイム労働者の伸び率が高くなっています。
医療福祉では、全体は大幅増加、一般も伸びていますが、パートタイム労働者の伸びが顕著です。成長しつつ、パート化を勧めているのかもしれませんし、パートタイム労働者の比率の高い介護業が増加しているのかもしれません。サービス業は同じような傾向ですが、変化率はかなり低くなっています。これらの2産業では、パートタイム化の動きが止まっていないようです。
一方、製造業は、変化率は小さく、ほぼ均衡と言っていいでしょう。置き換えの動きは止まっているということです。
どの産業も同じように変化しているのではなく、様々な動きをしているということです。
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