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パートタイム労働者が増えなくなったのはなぜ? その1」で、パートタイム労働者が増えなくなった理由を考えていました。
厚生労働省の毎月勤労統計の17年4月の速報が発表されました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/17/1704p/mk1704p.html
今度はパートタイム労働者が減っています。1,065万5千人で、前年同月に比べると1.1%減少です。
フルタイム労働者は、3,243万人で、1.1%増えていますので、景気が悪くなって、労働者全体が減り始めたというわけではありません。フルタイム労働者、パートタイム労働者の合計では0.5%の増加です。
さて、賃金の話に移ります。
パートタイム労働者とフルタイム労働者の平均を取ると額面の総額(この調査の用語では「現金給与総額」)は、281,935円で、前年に比べて0.6%増えています。
賃金の話はややこしいので、少し前置きをしておきます。
賃金のコアになるのは、所定内給与です。これは、残業、深夜勤務や、休日出勤をしなかったときに毎月支払われる賃金です。
次に、残業、深夜勤務や、休日出勤をしたときに毎月支払われる所定内給与があります。
この所定内給与と所定外給与をあわせると、毎月支払われる賃金になります。これが「決まって支払われる給与」です。「決まって」というのは「毎月決まって」という意味です。
毎月決まって支払われるとは限らない給与があります。ボーナスや決算手当などです。これを「特別に支払われた給与」と呼んでいます。夏、冬のボーナス支払時期に高額になります。
これらは、フルタイム労働者、パートタイム労働者どちらにも使われています。しかし、いくつかパートタイム労働者に特徴があります。
最初に、所定内賃金です。パートタイム労働者の多くは基本給が時給です。そこで、月によって所定内労働時間が違うと所定内給与が変化します。フルタイム労働者の中にも日給や日給に似た仕組みによって賃金が支払われるものがかなりいますので、所定内労働時間の変化に応じて所定内給与は変化しますが、パートタイム労働者の方が、敏感に反応します。ですから、パートタイム労働者の所定内給与が変化したときは、所定内労働時間が変化したせいなのか、他の原因によるものかを区別して考えなければなりません。
次が、所定外給与です。パートタイム労働者はほとんど残業、休日出勤をしません。また、元になる時間給が低いと言うこともあります。ですから、所定外給与は、フルタイム労働者に比べてごくわずかです。
最後に、特別給与です。パートタイム労働者にはボーナスを払わない会社がたくさんあります。また、支払うとしても額が少ないのが普通です。結局、フルタイム労働者とは大きな差ができています。この差は、夏、冬のボーナス支払時期の統計にはっきり出てきます。
まあ、このときに不満を持つパートタイム労働者は大勢いらっしゃるようです。
最後に、現金給与総額と所定内給与の関係です。今までの説明からおわかりいただけると思いますが、所定内給与の差よりも現金給与の差が大きくなります。
毎月勤労統計の平成16年度平均で見ると、こんなふうになっています。一月当たりの平均です。単位は円です。
| | フルタイム労働者 | | パートタイム労働者 |
所定内給与 | | 308,747 | | 88,467 | | 28.7% |
所定外給与 | | 24,499 | | 2,746 | | 11.2% |
決まって支給する給与 | | 333,246 | | 91,215 | | 27.4% |
特別に支払われる給与 | | 80,511 | | 2,852 | | 3.5% |
現金給与総額 | | 413,757 | | 94,067 | | 22.7%
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前置きは以上で、次回、パートタイム労働者の数の減少が賃金に与える影響について考えてみます。
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