rascalさんのコメントに答えて その3
「rascalさんのコメントに答えて その2」について
前回の続きです。今日は「飽和」です。
パートタイム労働者に「飽和」が起こっているかどうかの証明は困難であるというのがrascalさんのご指摘です。
厳密な証明は確かに困難ですが、パートタイム労働者が一部の職種で飽和状態になっているかなら、単純な統計でもある程度推測できます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査に職種別の一般労働者(フルタイム労働者)とパートタイム労働者の人数が調べられています。
ここから、フルタイム労働者+パートタイム労働者に占めるパートタイム労働者数の割合を計算することができます。
女性に限って、ある程度人数が多い職種を取ると、パートタイム労働者の割合は、
調理師見習い 86%
スーパー店チェッカー 85%
百貨店店員 74%
給仕従事者 74%
ビル清掃員 71%
販売店員(百貨店店員を除く) 70%
パン・洋生菓子製造工 70%
洗濯工 69%
ホームヘルパー 57%
などとなっています。
こういった職種でのパートタイム労働者の割合は、急速に上がってきたのですが、ここのところ頭打ちです。以前のようなペースで上がっていくと、100%を超してしまいます。自ずとブレーキがかかってきていると考えています。経済学的な表現をすると均衡に達しつつあると言うことです。条件が変わると、また、均衡点が変わり、増え始めるかもしれませんが、どの職種でもある程度はフルタイム労働者に適した部分があるしょうから、100%にはならないでしょう。
実際に労働時間が短いパートタイム労働者は、特定の職種に集中しています。賃金構造基本統計調査で見ると上位10職種にパートタイム労働者の4割が集中しています。
このためこれらの職種でパートタイム労働者の割合が頭打ちになると、職種の労働者全体が相当なスピードで増えない限り、パートタイム労働者全体の伸びも低くなるはずです。ホームヘルパーなどは増え続けるだろうと思いますが。
こういったことを踏まえて「飽和」の可能性があると考えました。
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