派遣労働者の謎 いったい何人いるのか?
以前から、派遣労働者の実態を知りたいと思っていました。
派遣労働者の場合使用者が複数いるわけで責任も分担されています。また、派遣会社に登録している労働者が全員、実際に派遣されているわけではありませんし、複数の派遣会社への登録もごく普通のことのようです。その結果、派遣労働者で実際に就業している人数もはっきり分からないという状況でした。
派遣をよしとする人たちは、派遣労働者はたくさんいて、もう労働市場に定着しているとか、派遣をもっと導入しなければならないというような主張をされます。そして、いつの間にか、200万人を越えているというような数字が一人歩きしていたようです。
最近、いくつかの統計が発表されました。
一つは厚生労働省への報告に基づく統計です。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/02/h0210-1.html
これによると、派遣労働者数は236万人です。ただし、この数字は単なる登録者を含んでいます。また、2社に登録していると二人と数えているようです。さらに登録しても仕事がない方も含まれているので、最大限の数字といえるでしょう。
もう一つが、総務省統計局の労働力調査の詳細結果です。こちらは平成16年の平均です。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/2004n/dt/zuhyou/700100.xls
これだと85万人。うち女性が57万人、男性が23万人です。
労働力人口に占める割合は、男女計で1.3%。女性で2.1%、男性で0.6%です。
こちらは、月末1週間に1時間でも働いた個人の調査です。月初めに働いて月末1週間には仕事がなかった人は入ってきません。少し低めにでている可能性があります。
この二つの数字を基に考えると、派遣労働者の実数(実際に働いているひと)は100万人弱ではないかと思います。
労働力人口の1.5%位で今のところそれほど大きな数字ではありません。これからは増えていくのでしょうが。