失われた20年?

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年4月速報)」などでは、月々の動きを追っています。毎月勤労統計はそういう目的のために作られている速報統計なので、声が本来の使い方です。 しかし、長期的な変化を見るのにも使えます。そこで今回は、労働投入量と労働者全員が受け取った賃金の総額の長期的な変化を表す表を作りました。。労働投入量は就業形態計の常用雇用指数に総実労働時間指数をかけて求めました。賃金の総額はやはり就業形態計の常用雇用指数に賃金総額指数をかけて作りました。2015年=100です。 労働投入と賃金総額指数(指数、対前年比%)
期間労働投入同前年比賃金総額同前年比
1991年97.90.289.87.1
92年98.40.594.24.9
93年97.6△0.896.32.2
94年98.00.498.62.4
95年99.01.0100.41.9
96年99.80.9102.42.0
97年99.2△0.6104.82.4
98年98.1△1.2103.4△1.4
99年96.5△1.6101.4△1.8
2000年96.70.2101.1△0.4
2001年95.5△1.399.1△1.9
2002年93.6△2.095.3△3.9
2003年92.7△0.993.6△1.7
2004年93.00.393.1△0.5
2005年92.6△0.593.80.8
2006年93.61.094.60.8
2007年95.01.695.81.3
2008年96.11.197.72.0
2009年94.2△2.094.7△3.1
2010年95.91.895.40.8
2011年96.30.496.00.5
2012年97.51.295.8△0.2
2013年97.3△0.396.20.4
2014年98.31.098.01.9
2015年1001.71002.0
2016年101.61.6102.72.7
労働投入では1996年の99.8がピークでしたが、2015年に19年ぶりにこのピークを更新しました。失われた20年まではいかなかったわけです。賃金総額の方は1997年の104.8のピークをまだ更新していません。失われた20年になってしまったのです。さて、2017年に更新できるでしょうか? 人気blogランキングでは「社会科学」の11位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング