35歳から54歳の男性の3月の就業率は、リーマンショック前の水準より下

2017年3月分の労働力調査の結果が発表になりました。http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm25歳から44歳の男性の2月の就業率は、リーマンショック前の水準」だったのですが、3月も全体としては同じです。ただ、25歳から34歳は、1.4ポイント上回って、かなり改善しているのに対し、35歳から44歳、45歳から54歳は下回っています。労働市場のタイト化の効果はまず、若年層からということになっているようです。これは企業がもともと若い人を採用したがるということに加えて、若い年代の人口が着々と減ってきているからでもあるでしょう。若い人口の減少が意識されると早めに若い人を確保したいという意欲が高まるのかもしれません。 若い人が十分とれなかった企業が中年男性に目を向けてくれるといいのですが、若い女性に向けるということもありそうです。 45歳から54歳層は人口が増えているので、就業者が増えてもなかなか就業率が上がらないという面もあるでしょう。 3月の男性の年齢階級別就業率(%)
年齢1997年2008年2017年97年との差08年との差
25~34歳94.190.591.9△2.21.4
35~44歳95.793.792.8△2.9△0.9
45~54歳95.993.693.2△2.7△0.4
この年齢層全体では、ほぼリーマンショック前の水準に来ていますが、やはり35歳から54歳で10万人分さらに増やす必要があります。1997年の日本の金融危機前を目指すなら、さらに65万人分の仕事を確保する必要があります。率だと2.6%です。雇用の質の改善も必要です。 3月の男性の人口と仕事の不足(万人)
年齢2017年の人口1997年2007年
25~34歳69015△10
35~44歳89026
45~54歳87424
25~54歳2,45465
2015年8月になってもまだ男の普通の仕事は足りない」で、「最近の動きに幻惑されて、雇用拡大の手を緩めるべきではありません。」、「女性の就業率が上がったことによって、両性を合わせると就業率は上がっています。完全雇用だと考えている方は、男性にも目を向けてみてはどうでしょうか?」と書きましたが、意見に変わりはありません。部分的には賃金が上がり始めるなど一見、完全雇用になったように見えますが、この年齢層の男性だけでも65万人分は供給余力があるとみるべきでしょう。完全雇用になるまではまだまだ先があります。 人気blogランキングでは「社会科学」の12位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング