取り戻そう日本経済の必勝パターン その2

取り戻そう日本経済の必勝パターン」を確実に取り戻すために一番重要なのは、雇用の維持・拡大だ。労働需要>労働供給という状態が崩れれば、元の木阿弥、日本経済の必敗パターンに戻ってしまう。その兆候がないわけではない。勤労者家計の消費の停滞などで、生産活動は低迷している。企業が採用抑制に転じたら、また、長期不況になってしまうかもしれない。 それなのに、出てくる話は、一億層活躍、人への投資だ。間違った目標だとは思わないが、どちらも労働供給を増やす方向の政策だ。労働需要を維持拡大する話ではない。 勤労者家計は長期的な社会保障の持続にも不安を感じているかもしれないが、もっと切実なのは近い将来の雇用不安だろう。今の契約期間が切れたら、その次の契約期間が切れたらどうなるのか。その不安がある限り、現在の雇用が確保され、賃金が増えていても消費はは増えにくい。長期雇用システムが縮小するとともに、生産の変動リスクが企業から労働者に移転されたことを忘れてはならない。勤労者家計が堅実になるのは仕方がないのだ。 政府が人手不足の状態を維持しますというメッセージを出してこそ、勤労者家計は安心して消費を増やし、企業は省力化、労働者の負担軽減、労働環境改善のための投資に踏み切れるのだ。変動相場制の下、日本が巨大な貿易黒字を出し続けるのは不可能だ。内需の拡大だけが経済を安定的に成長させられる。内需拡大のカギは人手不足が継続するという予想を家計や企業が持つことにある。 そして、長期的に見れば人手不足解消のカギとなるのは出生の増加である。「20161年の出生(4月分)2015年確定数反映」で示したように2015年の出生数は回復した。この流れを止めないようにしなければならない。20年後の人手確保は今から始めなければならないのだ。そして、そのカギは20歳代後半、30歳代、40歳代の雇用の安定だ。「7月の30歳から34歳正社員は399万人、4万人増加」、「7月の40歳から45歳正社員は499万人、6万人増加」、>」、「7月の45歳から49歳正社員は450万人、25万人増加」は一応いいとして、「7月の25歳から29歳正社員は370万人、6万人減少」、「7月の35歳から39歳正社員は426万人、23万人減少、厳しい」では少子化が止められない。もっと人手不足になるようにしなければならない。 日本経済の将来のために、いま必要なのは人手不足を維持する政策である。 人気blogランキングでは「社会科学」の5位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング