男の労働者は余っている

本当に人手不足?」に続いて、男性の就業率です。 7月の男性の年齢階級別就業率(%)
年齢1997年2008年2014年97年との差08年との差
25~34歳94.090.289.6△4.4△0.6
35~44歳96.293.993.2△3.0△0.7
45~54歳95.793.192.0△3.7△1.1
保守親父さんが「日本はまだ人手不足ではない」で次のように書かれています。 エモット氏が言わんとしているのは日本ではたしかに労働需要が高まっているが、多数の女性や高齢者が労働市場流入しており、かつそれらが比較的低賃金の非正規雇用形態で雇用されているため、まだ賃金の上昇が起きておらず、したがって(賃金上昇が起こるほどの)労働力不足ではない、ということのようです。実際に労働力調査や一般職業紹介状況などの結果によればたしかに昨年から今年にかけて女性や高年齢者の新規求職者数は増勢にあるので、エモット氏の見立てが当たっているのかもしれません(正確な判断にはさらに分析が必要でしょうが)。 ということで、非正規雇用の賃金はすでに上昇傾向にありますので、今後正規雇用の賃金が上がる、あるいは相対的に賃金の高い正規雇用が増加するといった形での賃金上昇が期待されますが、それにはもう一段の労働力不足状況の実現が求められているということになりそうです。 エモット氏は、男性の就業率が下がったままであるというのを見逃しているのでしょう。女性や高齢者の前に25歳から54歳という働き盛りの男性に、まだ仕事の口がないのです。当然賃金が力強く上がるはずがありません。 保守親父さんのご意見には基本的には賛成です。ただ、私には現在も労働力不足には見えないので、「もう一段の労働力不足の実現」ではなく、本当の労働力不足の実現が必要だと考えています。 人気blogランキングでは「社会科学」の16位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング