労働投入は、あまり変わっていない

本当に人手不足?」に関連して、労働投入の変化を考えてみたい。毎月勤労統計から月平均の総実労働時間と常用労働者数をとり、二つをかけて月当たりの労働投入量を計算してみる。 労働投入
総実労働時間常用労働者数労働投入
1997年157.641,3146,511,086
2013年145.546,1286,711,624
増加率△7.711.73.1
年平均増加率△0.50.70.2
単位は月当たり時間(所定外労働時間を含んでいます。)、千人、千時間です。月当たり60~70億時間ほど働いていることになります。 ご覧いただくとわかるとおり、労働者数は増えていますが、労働時間は減っています。結果として労働投入はそれほどは増えていません。パートタイム労働者の割合が高まっていることが影響しています。もし、労働時間が97年の水準に戻れば、労働投入は現在より7%増えます。半分としても3.5%です。人手不足とは言えないでしょう。 繰り返しになって恐縮ですが、現在の日本は人手不足ではありません。 なお、生産性の伸びを考えるときも、一人あたりで考えるか、一人が1時間働いたときで計算するかでかなり違いがあります。長期的な変化の国際比較などをするときには、注意が必要です。 人気blogランキングでは「社会科学」の7位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング