CX800さんへのお答え
「「国の実質的な借金は減っている?」について」にCX800さんから頂いたコメントにお答えします。
>国の実質的な借金が無くなるように見えるのは、無制限の金融緩和を続けていられる間だけなのである。
というのは厳密には間違いだと思います。
日銀が国債を買わなくても、民間銀行に国債が積み上げられるだけです。
民間銀行が国債を持てば国庫は金利を民間銀行に払わなければなりません。この場合、実質的な借金になってしまいます。日銀が国債を保有し続けることが、実質的な借金が無くなるように見える必要条件だろうと思います。
積み上げられた資産は幻なのですから、使わない主体に溜め込まれなければなりません。
多くの人が大量の預金を物やサービスの購入に使ってしまうと、物価上昇⇒金利上昇⇒国債暴落という経路で、全てが崩壊してしまうからです。
ご指摘のサイクルは非常に興味深いものです。民間企業が必要とする以上に、預金が積みあがると民間企業(や家計)は財やサービスを購入しようとするでしょう。民間企業や家計が財やサービスを他の企業や家計から買って、その代金を支払ったとき、受け取った民間企業や家計が民間銀行に預金として預け入れれば、民間銀行全体、日銀、国庫の貸借対照表には何の変化も現れません。物価は上昇するかもしれません。しかし、超金融緩和が続いている中で金利が上昇するかどうかは、私にはよくわかりません。民間銀行は準備預金を支えに、貸し出しをいくらでも増やせるからです。
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