「
政治思想の対立軸を考える。その2」で考えたような三党鼎立の状況が発生したとします。
どの政党も議会で
単独過半数を取れない場合、連立、あるいは部分連合のような連携が必要になってきます。
どのような連携が可能性が高いかを考えてみます。政治には人間関係や信頼関係がつきもので、政策よりもむしろこちらのほうが連携については重要である可能性が高いと思います。信用できない相手とは手を組めないからです。
しかし、とりあえず政治姿勢をベースに考えると、下の表を見ればわかるように、
政治勢力Sは、社会重視という点で
政治勢力Tと共通点があり、自由・自立重視という点で
政治勢力Vと共通点があります。しかし、
政治勢力Tと
政治勢力Vには共通点がありません。すると、あり得る可能性は
政治勢力Sを背景にした政党と、
政治勢力Vか
政治勢力Tを背景にした政党の連携ということになります。
しかし、これでは
政治勢力Vと
政治勢力Tを背景にした政党は不利です。これを挽回し、少なくとも対等にするたいと思うでしょう。そのためには、第三の軸を設定すればいいのです。そこにおいて、
政治勢力Vと
政治勢力Tが手を結べるけれども、
政治勢力Sは手を組めず、孤立してしまうような軸です。たとえば、次の表のような対外姿勢としましょう。
こうすれば、三者は、それぞれ一つの共通点と二つの相容れない点を持つことになります。もし、第三の軸が最も重要だということになれば、
政治勢力Vと
政治勢力Tを背景にした政党の連携が実現するでしょう。
さらにもう一つの軸、やはり、
政治勢力Sが孤立してしまうような軸を作れば、この連携の可能性はさらに高まります。
素朴に考えれば、最初に政治思想の軸があって、それをもとに
政治勢力が出来上がり、その
政治勢力を代表する政党が出来上がるのですが、政権をとって政策を実現するためには、政治の技術、アートが必要です。
政権をとるためには、政治的な対立軸を設定する能力が、政党に問われることになります。そして、国民には、その軸を重要な対立軸として受け入れるかどうかが問われます。政党が掲げた政治の対立軸が本当に意味のあるものなのか、真贋を見極める必要があります。
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