生活保護から抜け出すためには

厚生労働省から、23年度の福祉行政報告例が発表されています。 生活保護の廃止、つまり生活保護から抜け出せた理由が示されています。死亡と失そうというのがかなりあるのですが、それを除いた理由のうち、何が大きな割合を占めているのかを調べてみました。 生活保護廃止の理由(%)
年齢働きによる収入の増加社会保障給付金の増加施設入所
27.08.93.7
20代30.43.00.8
30代34.63.11.0
40代39.14.20.4
50代35.46.70.6
60代前半21.916.71.8
60代後半11.514.65.6
70歳以上7.014.415.3
二つの特徴があります。まず、20代、30代、40代、50代、そして60代前半でも、働き口を見つけることによって生活保護から抜け出している割合が一番多いのです。景気の回復、雇用の回復が重要です。就労支援も大事ですが、生活保護費を減らしたいなら、景気と雇用の回復に力を注ぐべきでしょう。 次に、60代以上では社会保障給付の増加によって、生活保護を抜け出している割合がかなりあります。年齢からみて、これはおそらく老齢年金の受給開始でしょう。年金制度にはいろいろ批判がありますが、老後の貧困からの保護という意味では、役に立っています。年金制度に対する信頼の回復と社会的連帯の規範の回復が、将来の日本のために重要です。 人気blogランキングでは「社会科学」の25位でした。↓クリックをお願いします。 人気blogランキング