「言論の自由」について

言論の自由」を読んで、

「やらせ」ってなんだろうと思いました。

悪い意味での「やらせ」というのは、

1 テレビ番組の制作会社が(テレビ局の黙認のもとに、あるいは示唆を受けて)

2 視聴者には利害関係のない素人だと思わせておいて、実は、金で雇った人間に、

3 視聴者には中立的な意見だと思わせておいて、実は、誰かにとって都合のいい意見を言わせたり、視聴率を稼ぐのに都合のいい行動をとらせたりすること

だと思います。

今回問題になっているのは、意見のほうです。

じゃあ、会社が自分のところの労働者に、会社の意見を言わせるのはどうなのか?

業務で会社の意見を言っているということが明確であれば、「やらせ」には当たらないでしょう。会社の広報担当社が業務で発言するのを、「やらせ」と呼ぶはずがない。

もちろんこの場合、会社が「やらせ」ていることには違いがありませんが。

会合やマスメディアで、業務で会社の意見を、その会社の社員であることを意図的に伏せて、個人の意見として言わせるのは、「やらせ」には当たるかもしれません。「かもしれません」というのは会合の主催者やメディアの黙認、示唆という条件を満たさないからです。会合の主催者が、意見が偏らないように、どこかの会社に人を出してくれと言ったのであれば別ですが。

会社の指示を受けずに、会合やマスメディアで、自分の意見を、その会社の社員であることを意図的に公表していうというのは「やらせ」には該当しないでしょう。たとえ、その個人の意見が会社のい意見と同じであったとしても。

「今回の事例は『やらせ』ではない。」と、私は考えています。

言論の自由というのは大切で、自分の利害関係に都合のいい発言でも、間違った意見でも言っていいはずです。間違っている意見に対しては、反論すればいいので、発言そのものを封じるのは危険です。まして、ある職業についていたり、ある会社に属していたりすることを理由に発言を、国が封じるのは最悪です。マスコミもそういう理由で、発言の機会を封じることを是とするべきではないと信じます。個人や団体も、他人の言論の自由を最大限尊重すべきです。その意見が気に食わないものである時は特に。

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