民主党の新年金制度案(2) 未納、低年金問題

民主党の新年金制度案(1)」で書いたように、最低保障年金の支給に必要な税財源ははかなり不安定なのですが、所得比例年金部分は、所得に対して15%の保険料となっています。

保険料を払えないほど低所得の人をどうやって救済するかが、保険制度で年金を運営する場合の最大の問題点であると、私は考えています。

この案では低所得ゆえに年金保険料を支払えない人が発生しやすいでしょう。なぜなら、所得比例ということであれば、年間所得96万円(月8万円)の人も15%、14.4万円(月1万2千円)を支払わなければならないのですが、就業調整をしているパートタイム労働者ならともかく、単身で零細な事業を行っている場合など、これを払えない人が相当いると思われるからです。この場合「未納」ということになります。

一生のうちには年金保険料をを支払える時もあるでしょうから、全部未納ということはないでしょうが、所得比例年金が低額であるという可能性は高いでしょう。この場合、税財源の最低保障年金の額をどう決めるのかが問題です。

所得があるにも関わらず保険料を意図的に払わない場合、つまり、未納の場合、最低保障年金も支払われない、あるいは減額するとすれば、低年金の問題が発生します。「最低保障年金の満額受給のために期間は、20歳から59歳の40年間としている。」とありますので、こういう考え方だろうと思います。

支払えば、低所得でも無理をしてでも支払った人との不公平の問題が出てきます。

現在の年金制度では、本当に低所得であれば保険料の支払いは免除され、基礎年金のうち保険料で支払われる2分の1は支払われませんが、きちんと届を出している限り、基礎年金のうち税金で賄われている部分は支払われます。全期間低所得でも月3万円ほどは支払われますし、一時期の低所得であれば大きな減額にはなりません。無年金は防げますし、低年金も防げます。

無年金者、低年金者をなくすということは、重要な課題だと思います。所得比例年金については、何らかの特例が必要だと思われます。

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