行方不明の高齢者と生命表

100歳以上の不明高齢者やいずこに?」で、官庁エコノミストさんが次のような感想を漏らされています。 7月26日に厚生労働省から簡易生命表が発表されて、男性の平均寿命は79.59年、女性の平均寿命は86.44年と世界でも稀な長寿国であることを確認したところですが、ここまで高齢所在不明者が続出しては、「ホントかね?」という素朴な疑問も生じかねません。もちろん、100歳以上高齢者数は男性で5千人、女性で3万人、合わせて3万5千人を軽く超えていますので、報じられている範囲では大きな影響はないものと思いますが、(以下、略) わたしは、生命表に大きな狂いはないと考えています。 まず、生命表の基礎になっているのは、毎年の死亡届です。住民基本台帳のデータではありません。住所不明になられている方々が、亡くなっていらしゃらなければ生命表には最初から無関係です。住所、居所が不明のご遺体が見つかり、どなたかが分からなければれば、医師や役所から死亡届が出されます。これが生命表に反映されます。したがって、遺体も見つからない場合を除き、基本的に生命表には問題は発生しません。(住民基本台帳には問題が発生します。) また、行方不明になられた方は、何十年にもわたって発生し、その累積が今回発見されたということです。1年あたりの行方不明者はそれほど大勢ではないでしょう。1年間の死亡者はこのところ100万人を超えています。この数からみればそれほどの影響があるとは考えられません。 参考までに、「平成21年 簡易生命表」と、「平成21年 人口動態統計概数」をつけておきます。 ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では32位でした。