「ユーロ氏の肝臓病」について

ユーロ氏の肝臓病」に 厭債害債さんの書かれている「ユーロ氏の肝臓病」というのはうまいたとえだと思います。 「それは問題国にとって債務の借り換えに何とかめどがついたと言うことでありあるいはそれらの債券を売りたい人がなんとかかんとか売れるということであり、あるいは資金繰りに困った銀行が何とかかんとか調達できているという流動性(Liquidity)が何とかなっていることでしかないのであって、中長期的にそれらの問題国がお金を返していけるかどうかすなわち支払い能力(Solvency)の問題がまったく片付いていないことに改めて気づかされる。」 というご指摘もごもっとも。 私は今回の救済策は、ユーロの対外価値を犠牲にして、金融秩序、銀行の健全性や決済機能、の崩壊を防いだものだと思っています。ユーロという人工的な通貨の存在そのものも防衛したのですが。 しかし、対外価値を犠牲にしたといっても、本当は喜んで犠牲にした、ギリシャ危機を口実にお荷物をうまく放り出したという面もあるのではなかろうかと邪推できなくもないのです。 ギリシャの問題として、ユーロにとどまる限り為替による調整と独自の金利による調整ができないということが指摘されていました。今回のユーロ安によってもユーロ圏に対しては切り下げはできないのですが、それ以外の国に対しては、たとえばアメリカや日本に対しては切り下げに成功したわけです。この事情はスペインやポルトガル、さらに言えばドイツやフランスにも当てはまります。 彼ら、これを機会に輸出で相当稼ぐ気ではないのかな? ドイツなど単独では到底通過切り下げなどできないでしょうが、うまく切り下げてしまいました。アジア、アフリカ、中南米、そしてアメリカへの輸出攻勢が始まるのではないでしょうかね?「ギリシャのせいでこんな目にあった。なんてことだ。」と言いながら。ギリシャ支援の分、輸出で稼いでしまうかもしれません。日本の輸出企業は大丈夫なのか? 案外、ユーロ氏は運動に励んで、2,3年後にはスリムになって出世競争に再エントリーしたりして。 まあ、地中海旅行に行くいい機会かもしれません。 人気blogランキングでは「社会科学」の32位でした。↓ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング